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狛犬こまいぬ

暦とならわし 2023.07.01

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こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

神社ならではのシンボル的な存在として、鳥居やしめ縄、紙垂(しで)などとともに挙げられるもののひとつが「狛犬」なのではないでしょうか。
一般的には、神社の入り口・参道・社殿前などに、左右一対で置かれている獅子の像のことを指して「狛犬」と言います。

「その正体は、犬なのか獅子なのか?」と思われるかもしれませんが、「狛犬」というのはあくまでも想像上の霊獣であり、この世界に存在する生き物とはまた別の次元の存在だと言われています。
その他にも、神社にお祀りされている神様によって、それぞれのお使いとされている生き物がモチーフになっていることもあります。

最も多いのは「狛犬」ですが、たとえば稲荷神社(お稲荷さん)における狐の像や、兎・猿・虎・蛇・鹿・龍など、各地の神社に多種多様なものが存在しているのもおもしろいところ。
こういった存在は「神様のお使い(神使)」で、邪(善くないもの)を退ける神前守護の役割を担っています。

その対の関係性は多くが雄雌なのですが、一方が口を開けもう一方が口を閉じている阿吽(あうん)のものや、片方に角が生えているもの、子どもを抱える獅子や宝珠を抱える獅子など持っているものに違いがあることもあります。

神社と言っても、お祀りされている神様の違いや鎮座する場所、境内の大きさ、特徴によって、その雰囲気にひとつとして同じものはありません。
そして、神社ごとの雰囲気や空気を形作る要素の中に、この狛犬さまの存在も含まれていることでしょう。

お顔の表情も、体つきやポーズ、大きさや使われている素材に至るまで、実にさまざまで味わい深いものがあります。
立ち止まってじっくり見てみると、きっと「こんなに凛々しいお顔をしていたんだ」とか、「がっしりしていて筋肉質な体をしてる」とか、「すごくやさしい雰囲気の狛犬さまだなぁ」といった、思わぬ発見があるのではないでしょうか。

私は新しい神社に参拝するたびに、そこにどんな狛犬さまがいらっしゃるのか、密かに楽しみに見るようにしています。
そして日頃からお詣りしている神社では、狛犬さまにも神様にご挨拶するのと同じように、「こんにちは、お邪魔します」「いつもありがとうございます」など、そっと会釈をしたり心の中で話しかけたりもしています。

そんな風にしながら狛犬さまを眺めていると、よりその表情がもの言いたげに、あたたかな眼差しであるように思えてくるから不思議なものですね。

いつも変わることなく、神社で神様のお使いとしてお社を守りながら、参拝に訪れる人々を見守ってくださっている「狛犬」。
皆様もぜひ、お馴染みの神社でじっくりと、そのお姿を観察してみてくださいね。

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紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

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