今日の読み物

読み物

お買い物

人気記事

特集

カート内の商品数:
0
お支払金額合計:
0円(税込)

ことばの日

暦とならわし 2024.05.18

この記事を
シェアする
  • X
  • facebook
  • B!
  • LINE

大型連休も終わり、季節は春から夏へ変わる時期を迎えています。
少し汗ばむ日もありますが、新緑が眩しい清々しさが続きますね。
こんな時期には、ゆっくりと自分を振り返る時間を持つのもいいかもしれません。

今日、5月18日は「ことばの日」。
こ(5)と(10)ば(8)の語呂合わせからきている記念日で、2019年に「横浜みなとみらいBUKATSUDO連続講座 言葉の企画」の企画生らによって制定され、一般社団法人・日本記念日協会により認定、登録されました。

日本記念日協会のHPによりますと、

” 「ことば」を大切に使い、「ことば」によって人と人とが通じ合えることに感謝し、「ことば」で暮らしをより豊かにすることが目的 ”
” 言葉の「葉」が5月の新緑の瑞々しさを表しているとの思い ”
” ひらがなの「ことばの日」としたのには手話や点字など広い意味での「ことば」を知ってもらいたいとの思いが込められている。”

と記載がありました。
ことばを大切に考える人たちによってつくられた記念日であることが伝わってきますね。

そもそもこの企画は、講座に参加した1人の企画生のアイデアからはじまったといいます。
「一生忘れられない企画を考えよう」という課題に対して72 人が企画書を提出したうちの1つ、「ことばの日をつくろう」という企画が圧倒的な支持を集めました。それからコンセプトやイベント案など議論を重ねて、実現に至ったのだそう。

あらためて、こうして生まれた経緯を知ると胸が熱くなります。
誰かによって決められたのではなく、ことばを真剣に考える人たちによって生まれた記念日であること。さらに、毎年5月18日にことばについて考える様々な企画を続けていることを知ると、生半可な気持ちで制定された記念日でないことが伝わってきます。私もことばを扱う1人として、この文章を書きながら背筋が伸びる思いです。

ことばは、色々な側面を持っていると思います。
ことばによって救われることもあるし、逆に傷つけてしまうこともある。
「言霊(ことだま)」ということばもあるように、良いようにも悪いようにもなりえる人間ならではのコミュニケーションツール。同じことばを発していても、扱う人によって伝わり方が大きく変わるのもまたおもしろいなぁと思います。

ちなみに私にとってことばとは、自分と向き合い、自分を知るための手段であると感じています。
喜びや楽しみ、不安や辛いことなど、日々色々な感情が行き交っていますが、モヤモヤしているときにこそ、いったんことばにしてみることを意識します。

頭でぼんやりと思い浮かべたり、こうしてパソコンに向かいながらキーボードを叩いたり、日記を書いたり...。とにかく、なんらかの方法でことばを使いながら自分の内なる感情を外に出すように試みます。

そうすると漠然としていたものが、だんだん輪郭を帯びていきながら感情が溶け出していく。そんな気がするのです。

ここでポイントなのは、ことばにならなかった感情も、諦めずにことばにしてみること。
100%じゃなくていいんです。届かないけれど近いところまで来た、というところまででいい。ある一定のところまで来ると、「なるほど、自分はこう思っていたのか!」と新しい発見がたくさんあります。そうして少しずつ、自分のことを知っていく。だんだんと、ことばによって救われたり、逆に救ったりする機会も増えていく。
やがて誰かの肩を借りなくても自分の足で立って前に進めるようになる。

ことばには、そんな力があると信じています。

新緑の瑞々しさに負けないくらいの輝きを、ことばに込めて。
みなさんも思い思いに「ことばの日」に向き合ってみてくださいね。

参考文献

この記事を
シェアする
  • X
  • facebook
  • B!
  • LINE

高根恭子

うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。

記事一覧