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天一天上てんいちてんじょう

暦とならわし 2024.05.29

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こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

日本の暦の中には、吉凶禍福さまざまな言われが受け継がれているものですが、今回ご紹介するのは「天一天上」と呼ばれる期間のお話。
これは、年に6回巡ってくる16日間のことで、日頃は八方(四方四隅)を44日間かけて順番に巡り方位を司る「天一神(てんいちじん)」という神様が、一度天上界に戻られると言われている期間にあたります。

この神様は、悪い方角を塞ぎ守ってくださると同時に、方位による吉凶や人が何かを行うにあたっての禍福を定める指針となっています。
つまり何か大事な物事を行う際には、今どの方角に天一神が居られるのかを気にして行動するべしという考えがあり、たとえば天一神が居られる方角に向かって行うお産・談判・賭け事などは慎むようにと言い伝えられているわけです。

その神様が八方を巡った後に天上に戻られるこの「天一天上」という期間中は、方位による禁忌や障りがなくなるため、旅行や引っ越しなどでどの方向に行っても吉となる縁起の良い期間。
よく、社寺のおみくじなどでも旅行や引っ越しにおける吉凶や、方角による禍福などが書いてあることも多いですが、そういったことを気にしすぎず自由に動ける期間だと思うと、気持ちが軽くなりますよね。

そして、もうひとつ。
この期間に「天一神」の代わりに地上に降りて来られると言われているのが、「日遊神(にちゆうしん)」という神様。この神様は、特に不浄や争いごとをお嫌いになるのだとか。

そのため、この「天一天上」には訴訟や喧嘩などを避けて通り、身の回りの環境を綺麗に掃除して整えておくことが吉とされています。
特に水回りのお掃除は、運気を上げる近道とも言われていますから、まとめて汚れを一掃すると心身ともにスッキリするのではないでしょうか。

こういった暦のお話は、気にしすぎて思い悩むというよりも、自分の人生にとって前向きな動きをするための、良いきっかけにすることが大切です。
たとえば、日頃からコツコツ掃除をすることももちろん大切ですが、年に6度巡ってくるこの暦のお話を元に、「この期間は、特に念入りに掃除をしてみよう」とか「ずっと気になっていたけれど、手を付けていなかった部分を綺麗にしよう」とか、思い切った行動につなげてみるのも素敵ですよね。

生活のメリハリやモチベーションの維持は、どこかに少なからず怠惰な心を持ち合わせる人間にとって課題になることが多いわけですが、こういった「きっかけ」は、実は世の中や先人から受け継がれた知恵の中にもたくさん隠されています。

ちなみに、2024年で今後やってくる天一天上は、下記の期間。
・5月29日(水)-6月13日(木)
・7月28日(日) -8月12日(月祝)
・9月26日(木) -10月11日(金)
・11月25月(月) -12月10日(火)

暦の中に隠された知恵を味方につけて、人生をより輝かせる一手を、自分なりに見つけてみてくださいね。

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紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

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