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精霊馬しょうりょううま

暦とならわし 2026.07.15

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こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

毎年お盆の季節には、ご家庭でご先祖様の霊をお迎えし、お仏壇にお供えなどをして、祖霊をお祀りしていらっしゃる方も少なくないことでしょう。
そのお供え物の中に、割り箸を足に見立てたキュウリとナスを置いているという方も多いかと思います。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、このキュウリとナスは「精霊馬(しょうりょううま)」と呼ばれるもの。ナスの方を「精霊牛」と呼ぶことも、両方揃って「牛馬(うしうま)」と呼ぶ地域もあります。

キュウリはご先祖様をお迎えする「迎えの馬」で、ナスは帰りにお送りするための「送りの牛」。
行きが馬なのは、懐かしいご先祖様の魂に、一刻も早く家に帰ってきていただきたいから。帰りが牛なのは、お土産をたくさん持ってのんびりとあちらの世界に帰っていただくためと言われています。

二つ揃ってご先祖様の乗り物として、お盆入り前からお盆明けまでの期間に飾るのが、お盆のならわしの一つ。
手に入りやすい旬の野菜なのでキュウリとナスが使われることが多いのですが、好みや地域によっては藁や布などで作られた精霊馬を用意することもあります。

飾る場所は、お仏壇に設けた盆棚や台の上が一般的。でも、屋外で迎え火や送り火を焚く際には、玄関先や火の近くに置いてご先祖様の送迎を意識するご家庭もあるかもしれません。

精霊馬の種類、そして細かい飾り方や作法などにはいろいろあるかもしれませんが、いずれにしてもこの世に生きる私たちと、あの世にいらっしゃる今は亡き魂たちを繋ぐのが、日本における「お盆」の風習です。
その繋がりを結ぶものの一つとして、「精霊馬」の存在があると言えるのではないでしょうか。

改めて「ご先祖様」という存在は何かと考えれば、両親、祖父母、曾祖父母……と遡っていく、自分の中に流れる血のルーツだということが分かると思います。
そのイメージは、あなたにとって遠いものでしょうか? それとも、どこか近しく思える存在でしょうか?

きっと、あなたにとって身近な存在だったご家族で、すでにこの世を去ってしまった方がいるとしたら、ふとした瞬間にその人を恋しく想ったり、懐かしく思い出したりすることでしょう。
温もりに触れたい。会って話がしたい。生きていた時のことを思い出せば、そんな風に寂しくなることもあるかもしれません。

でも、あちらの世界にいるご先祖様たちはきっと、決して目に見えなくても、今を生きる私たちのことをすぐ近くで見守って、応援してくれているはず。――そう思いながら進んでいけば、どんなに孤独を感じるときも、上手くいかないときも、本来の心を見失うことなく生き抜くことができるのではないでしょうか。

お盆の季節、あなたも精霊馬を目にした際は、あちらの世界にいるはずの大切な味方であるご先祖様に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
精霊馬に乗って、あなたに会いに来てくれる方が、いらっしゃるかもしれません。

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紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

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