こんにちは。星空案内人の木原です。
今夜は中秋の名月が宙に昇ります。旧暦の秋の真ん中の月、旧暦の8月15日に登る月は中秋の名月と呼ばれ、古くから愛されてきました。日本でのお月見の文化は9世紀頃に中国から伝わってきたと言われています。直接見るだけでなく、池に映る月を見る、宙の月を借景とした庭園の景色を見るなど、楽しみ方のバリエーションは豊富です。伝来元である中国では中秋節、韓国では秋夕(チュソク)と呼ばれ、お祭りのように国全体が盛り上がる祝日となっています。

お月見といえば、ススキにお団子、月で餅つきをするウサギのイメージが定番ではないでしょうか。学校で習った記憶もないのに月の模様にウサギを思い描くのは不思議ですね。興味深いことに韓国も餅つきするウサギを描くそうです。中国もウサギが登場し、餅つきではなく薬草を挽いている姿で描かれます。昔から文化交流が盛んだったためか、この3カ国は共通して月の模様をウサギの姿に見立てています。


お月様は地球に対して常に同じ地表面を見せているので、地球にいる限りどこから月を見上げても同じ月の表面が見えます。同じ模様を世界各地から見ているのですが、月にある模様をどう捉えるかは国によって様々です。
南ヨーロッパの海沿いの国では、シオマネキのようにカニが片腕を上げている姿で描かれ、満月に現れる大きなカニが大潮をもたらすと考えられています。大潮の日は、大量の海水が移動してプランクトンの量が増えるため魚がよく釣れるそう。海沿いの国ならではの捉え方ですね。

同じヨーロッパでも東ヨーロッパでは、女性の横顔に見立てます。他の地域では黒く見える部分を使うことがほとんどですが、東ヨーロッパでは、地表の白っぽく見える部分を上手に使って女性の横顔を描いています。

カナダではバケツを運ぶ少女を描きます。これは先住民のカナダインディアンの文化で、少女の頭にはインディアンジュエリーの特徴であるフェザーのモチーフがついているようにも見えます。

中南米では、月にロバがいます。長い耳をピンと立てた姿が可愛いらしいですね。一部の地域では、このロバは荷物を運んでいるそうです。

世界各地から同じ月を見ていても、月の模様に描くイメージは様々です。そのイメージには、国の文化や自然環境など様々な要素がうまく表現されているなぁと思います。名月の今夜は、あなたならではのテーマで月に模様を描いてみてはいかがでしょうか。
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