10月も残りわずかとなり、朝晩冷え込むようになりました。
木々はだんだんと色づき始め、本格的な紅葉シーズンが到来。外に出る楽しみも増えてくるころです。
秋は夏のジメッとした空気とは違い、カラッと乾燥する季節。空気が澄んでいるので、夜空の月がはっきり見えるうれしい季節でもあります。
そこでこの時期にぜひ見てほしいのが「下弦(かげん)の月」です。

下弦の月は、夜空に浮かぶうつくしい半月のことをいいます。
そもそも上弦の月、下弦の月って、理科の授業で習ったような気がするけれど..
どっちがどっちだかよく分からないという人も、きっと多いのではないでしょうか。
私もまさにごちゃ混ぜになっているので、下弦の月について基本から調べてみました。
月は、平均29.5日の周期で満ち欠けを繰り返しています。
満ち欠けは「新月→上弦→満月→下弦→新月」というサイクルで、月と太陽の位置関係が変わることで、地球から見たときの形が変わります。
月齢平均7.38のこれからまるくなる半月を「上弦の月」、月齢平均21.15の新月に向かう半月を「下弦の月」といいます。

下弦という名前は、半月のかたちが弓を張った糸に似ていることからつけられました。
別名「弓張り月(ゆみはりづき)」あるいは「弓月」とも呼ばれています。
下弦の月は、夜中に東の空にのぼり、昼頃に西の空に沈んでいきます。
「上」か「下」かの違いは、沈むときの向きにあります。
月が沈むときに欠けている部分が右側にあって、下を向く場合を「下弦」といいます。
下弦の月は、月がだんだん欠けていくのでさみしい気もしますが、新月へ向けて「生まれ変わる」と捉え直すと、月から力をもらえるような気がしますね。

みんなが寝静まった真夜中にひっそりのぼり、みんなが活動する日中にひっそり沈む、下弦の月。
早起きをして空を眺めると、ぼんやり見えることがあります。
まだあたりが薄暗い夜明け前、まるで月と二人きりになったような不思議な空間のなかで、自分の存在の小ささや儚さを、改めて感じたりもしました。満月ほどの明るさはないけれど、半月でも十分な存在感と明るさで、やさしく照らしてくれる。ぼんやりと眺めながら、月に今の気持ちを重ね合わせてみる。昔の人の和歌に月がたくさん登場する理由が、なんだか分かるような気がします。

みなさんも、空を見上げて下弦の月を探してみてはいかがでしょうか。
真夜中でも日中でも変わらない下弦の月のやさしさが、私たちを照らしてくれるでしょう。

高根恭子
うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。
関連する商品 RELATED ITEMS
-
【2025年】にっぽんのいろ日めくり
3,300円(税込) -
【5種セット】暦生活スケジュールシール (行事・祝日・二十四節気・七十二候・月の満ち欠け)
1,375円(税込) -
【2025年】縁起のいい日手帳 マンスリー
1,320円(税込) -
【2025年】旬を味わう七十二候の暦
1,815円(税込) -
【2025年】花の日めくり
3,300円(税込) -
【2025年】朝の日めくり
3,300円(税込) -
【2025年】月と暦 日めくり
1,210円(税込) -
[月]スケジュールシール
275円(税込) -
予約販売【2025年】旅する日めくり ~365 DAYS JOURNEY~
1,980円(税込) -
予約販売【2025年】俳句の日めくりカレンダー / スタンド付
2,200円(税込) -
[お月くんといっしょ] 刺繍トートバッグ
1,990円(税込) -
予約販売【2025年】旬を味わう七十二候の暦
1,815円(税込) -
くみひもブックマーカー(金色・真珠色・紅梅色・紅色)
1,100円(税込) -
書籍「日本を味わう 366日の旬のもの図鑑」
2,860円(税込) -
書籍「草の辞典 野の花・道の草」
1,650円(税込)