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しぶんぎ座流星群

月と星 2023.01.04

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こんにちは。星空案内人の木原です。
今日、しぶんぎ座流星群の見頃を迎えます。日本で毎年安定して流星を見ることができる三大流星群のひとつ。流星群の名前の由来は、流れ星が流れてくるスタート地点(放射点)にある星座からつけられていますが、しぶんぎ座は1928年に廃止されました。現在は存在しない幻の星座なのですが、今も「しぶんぎ座流星群」の名称まま、新年最初の流星群として親しまれています。

夜は満月前の月がほぼ一晩中宙を明るく照らすため、月明かりに背を向けるようにして宙全体を眺めることがおすすめです。流れ星は自由気ままに宙全体を飛び交うので、必ずこの方向に見えるというのがありません。1個でも多く見つけられるように、流星群を見るならスマホはしまって、できるだけ街明かりがない場所で観察しましょう。

月明かりはどう頑張っても消すことはできませんが、手元にある光の元は消すことができます。新年のあいさつのメッセージで通知が来る時期かもしれませんが、今夜だけはデバイスフリーで宙を見上げて年明け最初のお願い事をしぶんぎ座流星群にしてみてはいかがでしょうか。流れ星観賞に夢中になりすぎて、風邪をひいてしまわないようにだけ気を付けてくださいね。新年早々無理は禁物です。

幻の星座となった、しぶんぎ座。どんな星座なのか名前だけでは想像しにくいかもしれません。「しぶんぎ」とは、天体観測機器の四分儀のこと。18世紀のフランスの天文学者ラランドによって作られ、春の星座であるりゅう座付近にありました。そのため、しぶんぎ座流星群のことを「りゅう座イオタ流星群」と呼ぶこともありますが、正式名称としてはしぶんぎ座流星群のまま残っています。※イオタとはりゅう座にある星を示す名称のことです。

なぜ、しぶんぎ座がその名を消したのかというと天文学の歴史が関係しています。星座自体は今から5000年前には誕生していたと言われ、中世~近世の時代に権力者や天文学者などが自由に星座を新しく作るブームが起きていました。好き勝手に星座を作っていては科学的に混乱を招くとして、1928年に国際天文学連盟が世界共通で示すことができる現在の88つの星座を採択します。その時にしぶんぎ座は残念ながら外されてしまったのです。

現在の星座一覧には残らなかったけれど、しぶんぎ座があった場所にはちゃんと星が輝き、宙が広がっています。そんなことを想像しながら、流れ星の訪れを待ってみませんか。

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木原美智子

星空案内人
広島県出身。瀬戸内の宙を見て育ちました。好きな季節は、コスモスが咲き、凜とした空気が漂う秋。宙を見上げるのが好きなので、星だけじゃなく宙にあるもの、宙に関わる文化に興味があります。ペンギンと野球も好き。

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