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雷乃収声かみなりすなわちこえをおさむ

二十四節気と七十二候 2020.09.23

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こんにちは。暦生活編集部です。
今日は七十二候の「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」についてのお話です。

朝夕には、心地よい秋の風が吹く季節になってきました。
朝は時間がなくて忙しくしていることが多いのですが、最近は起きてからすぐベランダに出て、きれいな朝の空気を吸い込むようにしています。

その時自然と空を見上げるのですが、秋は、空の様子も美しいですね。すーっと薄い、消え入りそうな雲や、もこもことした形が面白いうろこ雲。そんな雲を淡い黄色に染める朝焼けも、とても綺麗です。

5日ほどで移り変わっていく七十二候は、「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」になりました。夏の間、夕立をともないゴロゴロと鳴り響いていた雷がおさまる頃。
春分の頃に訪れる「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」と対になる七十二候です。

紺碧の空を背景に、雄大な姿を見せてくれた入道雲の代わりに、空にはうろこ雲やいわし雲があらわれます。空一面にひろがるもこもこした雲たちは、見飽きることがありませんね。自然ってすごいな、季節っていいな、と素直に思います。

吹く風も、いつしか秋のものになりました。
初秋になって吹いてくる風を「秋風(あきかぜ)」といいます。涼しい風を肌に感じる時、なぜだかちょっぴり切ない気持ちになったり、今の自分を振り返ったり。

私は秋に生まれたからか、四季の中でどの季節がいちばん好き?って聞かれたら「秋かなあ」と答えます。芸術の秋、読書の秋、食欲の秋。秋には私の「好き」が詰まっているような気がします。心に少しだけチクっとくる切なさも含めて、私にとって秋という季節はとても魅力的なのです。

先日読んでいた本に、「秋」という漢字の成り立ちが書いてありました。そういえば、秋が好きと言っていたけれど、秋という漢字がどうやってできたのか、考えたことはありませんでした。

「のぎへん」に「火」と書く秋ですが、「禾」は稲穂、穀物のこと。実りの秋らしいですね。でも、「火」はなんでしょうか。じつはこれは、秋になると蝗(いなご)が大量に発生して作物を食い荒らすので、蝗を火で焼き穀物を守り、無事に豊作となるよう祈願したことからきているそうです。さらに調べてみると、「秋」という字にはもともと「虫」の要素も入っていて、「虫」「禾」「火」の組み合わせで成り立っていたのだとか。

私は稲穂が少しずつ黄色に染まっていくのを見るのが毎年楽しみなのですが、綺麗なだけではなくて、農家の方々の大変な苦労の末にある景色だということも、心の隅にきちんと置いておかなくちゃなと思いました。

秋は、空も風も、草花も美しい、いい季節です。
私たちのカレンダーの会社はこれからがいちばん忙しい時期ですが、空を見上げることを忘れずに、心穏やかに過ごしたいなと思います。

※七十二候(しちじゅうにこう)は、日本の1年を72等分し、季節それぞれのできごとをそのまま名前にした、約5日ごとに移ろう細やかな季節です。

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暦生活編集部

日本の季節を楽しむ暮らし「暦生活」。暮らしのなかにある、季節の行事や旬のものを学びながら、毎日お届けしています。日常の季節感を切り取る #暦生活写真部 での投稿も募集中。暦生活の輪を少しずつ広げていきたいと思います。

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