こんにちは。暦生活編集部です。
今日は七十二候の「雪下出麦」(ゆきくだりてむぎのびる)についてのお話です。
今日は1月3日。今日で三が日は終わり、明日からお仕事が始まる方も多いと思います。
今年のお正月は、ゆっくりと心身休められたでしょうか。
冬至の末候(二十四節気を約5日ごとに分けた七十二候のうち、3つめに訪れるもの)は「雪下出麦」(ゆきくだりてむぎのびる)。一面の雪景色の中、雪の下ではすでに麦の目が芽吹いています。春を待ち、厳しい寒さの中でじっとこらえています。

麦というのは、小麦、大麦、ライ麦、エン麦などのイネ科穀物の総称です。
小麦や大麦など、食用にされる品種は基本的に秋に種まきをし、翌年の夏に収穫されます。
穀物の収穫といえば秋を思い浮かべますが、麦が熟し、収穫を迎えるのは初夏。一面黄金色に染まった麦畑は、愛すべき季節の風物詩です。

麦は、今芽吹いたばかり。厚く覆われた雪の下でも成長していく姿はたくましく、生きる意思と生命力を感じられます。種まきからひと月程経つと青々とした葉をつけますが、この頃に日本独特の農法「麦踏み」が行われます。

麦踏みとは、麦が発芽した後に、足で踏みつける作業のこと。踏んで圧をかけることにより、霜柱による凍霜害を防ぎ、根の張りをよくし、耐寒性を高める狙いがあります。時期や回数は地域によって異なりますが、晩秋から早春にかけて、複数回行われるそうです。
俳句では、「麦踏み」は春の季語。健やかな麦の成長を願う気持ちが込められています。

これから寒の季節となり、寒さはますます厳しくなります。ですが、この寒さを乗り越えると、季節は春になります。ゆっくりでいいから少しずつ、季節の移り変わりを楽しんで暮らせたらいいですね。
※七十二候(しちじゅうにこう)は、日本の1年を72等分し、季節それぞれのできごとをそのまま名前にした、約5日ごとに移ろう細やかな季節です。
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