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手づくり二十四節気/大雪たいせつ

二十四節気と七十二候 2023.12.07

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冬野菜の漬物をつくる

今年も師走になりました。あっという間に年の瀬が迫ってきて少々慌てます。山の上の方や北国では、もう雪が降り積もるという大雪の節気です。お部屋をあたためて過ごしましょう。

さて、寒くなると冬野菜がたっぷり太っておいしくなります。この季節、山村で暮らしていると、あちらからこちらから、冬野菜が到来します。お隣の奥さんが、白菜をもらったからとひと抱えもありそうな大株を持って来てくれたり、近所の友人の家に遊びに行って、帰りは袋にいっぱいの大根や人参を持たせてもらったり。

ありがたいけれど、こんなにたくさん食べきれないよ~、とうれしい悲鳴。そこで、白菜も大根も、干して漬けて、おいしく食べることに。どちらも丸ごと1本、丸ごとひと株使っちゃいます。でも、干して漬ければカサは減るし、たいした作業ではありません。これが大根20本とか白菜10株をいっぺんに漬けるとなると大仕事ですが、どちらもたったひとつ。チョチョイとすませられます。

ただ、簡単漬け物とはいえ、漬け込む容器はガラスジャーやガラスびんを使いたい。プラスチックバッグを使って浅漬けをつくる方法もありますが、やはり透明なガラスは、清潔感と匂いのないニュートラルなところが魅力で、ほかには譲れません。そんなわけで、我が家には大きなガラス瓶やガラスジャーがゴロゴロ溢れて少々困ったことにもなっているのですが。

大根、白菜はそれぞれ適宜割ったり刻んだりしたあと、1~2日外に干します。表面が乾いてグッタリしてきたら漬けどきです。この、野菜を干しているあいだもいいひととき。窓の外に、これから自分で漬ける野菜が、風にお日様に当たっているのを眺める喜びは格別です。日差しも旨味の要素のひとつ。いい天気が続きそうなことを確認して、干すのが肝要です。

大根は、皮をむかずに干すのが我が家流。皮のかたくてシワっとしたところもまた、おいしいのです。「はりはり漬け」の名もあるように、パリパリした食感はごはんがごはんがすすんですすんで怖いほど。「壺漬け」なんてもいいますね。

白菜漬けは、漬けると2日目くらいから水が上がってくるので、その水を絞って切って、いただきます。日を追って、少しずつ漬け具合が深くなってくるのもまたお楽しみ。

どちらも、漬ける容器は家の中のいちばん寒いところに置いておきます。

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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