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二十四節気と暮らしの道具/穀雨こくう

二十四節気と七十二候 2024.04.19

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穀雨 4月19日~5月4日 三月中〈春雨降りて百穀を生化すればなり『暦便覧』〉

春晴れた日に、束子でゴシゴシお洗濯

4月も下旬になれば、草木の花が咲き溢れ、百花繚乱。雨が降ってももう寒くない。温かな慈雨です。この雨が百穀を潤すとされる、穀雨の節となりました。春の最後の二十四節気で、春の長雨、菜種梅雨の頃でもあります。

とはいえ、4月の末から5月にかけては、お天気がよくて穏やかなイメージがあるのはわたくしだけでしょうか。試しに昨年のカレンダーにつけたお天気マークを見てみると、穀雨の15日間はほとんど晴れのマークで、雨マークがついているのは4日のみ。この4日も、半分は曇りと雨マークの半分こです。

たしかに雨も降るけれど、春の安定したいいお天気の日もあるということで。冷たい水も我慢できるくらいの暖かさにはなったことだし、ちょっと面倒な手洗いの洗濯でもしてみましょう。お日様の様子を見ながら、重い腰をあげて。

手洗いの洗濯で活躍してくれるのが束子です。手提げや帽子、マットなど、洗濯板の裏側の、平らな面にのせて洗います。外ももうあったかなので、外の流しで気持ちよく。手に握るとちょうどよくなじむ束子は、使い心地抜群です。純石鹸で、きれいさっぱりとさせましょう。

冬のあいだ、気になりながらも洗えなかったあれやこれを、次々と洗濯したくなります。さんざん使った室内ばきや、厚手の部屋着もシーズンオフ。汚れを落としてすっきりさせてからしまうことに。棒状のものは足袋洗いにちょうどよく、着物をよく着たころにはしょっちゅう使っていました。

旅先などで、自分が持っていない形の束子を見つけるとつい買ってしまいます。もしかしたら束子コレクター? そんなわけで、気がつけば色々なタイプの束子が我が家では活躍中です。
洗濯用には、普通サイズのほかにも小さなものを。
洗濯のほかにも、お風呂の床掃除には細長タイプを重宝しています。
台所では、いちばん小さなものを野菜洗いに。ビン洗いには捻ったタイプがフィットします。

京都の束子屋さんでごっそり買った大小の束子が、まだ紙に包まれたまま活躍の日を待ってくれています。これは安心。出番を待っていてくださいね。

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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