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二十四節気と暮らしの道具/小暑しょうしょ

二十四節気と七十二候 2024.07.06

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小暑 7月6日~21日 六月節〈大暑来たれる前なればなり。『暦便覧』〉

うちわで涼をとる

毎年の酷暑で、いささか本格的な夏が来るのを恐ろしくさえ感じる昨今です。そうはいっても季節は巡ります。暑中の始まり、小暑となりました。まずは、少しずつ暑中お見舞いなど書き始めましょうか。

小暑の前後には各地で梅雨が明け、いよいよ鋭い太陽の光に灼かれる日々が始まります。いっぽうで、梅雨明け前は豪雨に見舞われることも多く、注意が必要。大雨への備えはしておかなければ。

さて、これからしばらくは暑さをどう凌ぐかが日々の課題です。部屋の空調はもちろん、冷んやりした飲み物やおやつは必ず冷蔵庫に用意しておきたいもの。そしてもうひとつ、うちわも忘れずに。

日本の三大うちわといわれる「京うちわ」「丸亀うちわ」そして「房州うちわ」。京都の京うちわは、柄が挿してあるタイプ。はんなりほっそりした柄が、いかにも京都を感じさせます。柄行きも、どこか典雅な雰囲気です。

丸亀うちわは、香川県の丸亀が産地です。平たい竹柄が特徴で、この柄を細く裂いて骨にしています。全体的にがっしりしています。

3つ目の房州うちわは、千葉県は房総半島南部の房州が産地です。丸竹の柄を割いて骨にしてあり、非常に繊細なつくり。関東で育ったので、うちわといえば房州うちわにずっと親しんできました。今も家にあるうちわはほとんど房州うちわ。もちろん、京うちわも丸亀うちわも愛用しています。

部屋にいてちょっと暑いときに、すっと手にして顔をあおいだり、夜寝る前、布団にはいってからしばらく風を送ったり。軽くて手に馴染んで、音も静か。自分で風の強弱を加減できます。心地よい柔らかな涼風を感じられるうちわ。材料が、紙と竹や木というのもよいですね。

机の脇に、寝床のそばに、夏の毎日に欠かせない手動涼風器具です。

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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