◎冬至 12月22日~1月4日 「ヤブコウジとフクロウ」
冬至となりました。一年でいちばん昼間が短い日。ということは、明日からは一日ずつ昼間が長くなるということでもあります。暦では冬の真ん中。冬ももはや峠を越えて、これからは春を待つばかり、と春が近づいた喜びがあふれる日でもあります。
一陽来復、春への想いがたぎるいっぽう、寒さはこれからさらに厳しくなることに。
そんな寒さの中でも、愛らしい真っ赤な実をつけるヤブコウジ。センリョウやマンリョウ、またナンテンと並んで、お正月の花材としても欠かせません。
葉の間からよく見えるように多数の実をつけるセンリョウや、これまたたわわに実をつけるマンリョウと違って、ヤブコウジはおとなしそうな姿です。葉の下につける実もひとつかふたつ。控えめなんです。可愛いんです。木の丈もようやく20センチくらいでしょうか。
けれどもこのうつむき加減のヤブコウジは、ひそかに人気者でもあります。山地の木陰に群生しますが、庭木や盆栽として親しまれているのです。植木市にも、必ずといっていいほどエントリーしています。小さな鉢植えを見つけると、思わず購入したくなる愛くるしさです。
さあ冬至の今宵、カボチャを食べるのもよいのですが、今年は「ん」のつく根菜、こんにゃくの味噌田楽をいただくことにしましょう。もちろん、お味噌のたれには柚子をたっぷり絞ります。
冬至節の寒さのなか、夜になると林に響くフクロウの声。木にとまってフクロウが鳴いているその下では、ヤブコウジの実が赤く熟しているかもしれません。
イラスト提供:平野恵理子

平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
