こんにちは。和菓子文化研究家のせせなおこです。
日が暮れるのが早くなり、1日を短く感じるようになりました。1年の終わりを感じる季節。毎年この時期は今年もよく頑張ったな〜と、自分へのご褒美や年末年始に家族と食べる縁起のいいお菓子など、ちょっと特別なお菓子を探すのが恒例行事。お菓子を食べる時間はもちろん大好きなのですが、そんな時間を想像しながらお菓子を探すのも心が癒されるとっておきの時間だなと思います。
おめでたい時に使われるモチーフには、鯛、鶴亀、松竹梅とさまざまなものがありますが、その中で今日は鶴のお話をしたいと思います。
とあるお店の商品ラインナップに出てきたのは、「鶴の子餅(つるのこもち)」という紅白のお餅。私が育った福岡では、鶴の子といえば「鶴乃子(つるのこ)」という、マシュマロの中に黄身餡が入ったお菓子のこと。同じ名前なのに違うお菓子が存在している!?ととても驚きました。
「鶴の子餅」はすあま、というお菓子の別名。すあまは米粉に砂糖を加えて蒸したお餅のことで、かまぼこのような見た目をしています。あんこは入っていない本当にシンプルなお餅ですが、ほっこりと癒される素朴なお餅です。縁起物としても用いられ、寿甘とかいたり、紅白のお餅が鶴のように見えることから鶴の子餅と呼ばれたりするのだそう。七五三や成人式、入学式などのお祝い事に使われます。
ちなみに福岡の鶴乃子は福岡の地形が羽を休める鶴に見えることから、その鶴が抱える卵をイメージしてマシュマロで作られました。長崎の名物である鶏卵素麺を作る過程で、余ってしまう卵の白身をなんとか上手く使えないだろうか、という発想でマシュマロ作りが始まりました。
他にも青森には「鶴子まんじゅう(つるこまんじゅう)」という、黒糖生地であんこを包み、周りに米粉をまぶしたお饅頭もあります。こちらはこのお店の初代の方が、近くの神社に大きな鶴が舞い降りる夢を見たことをきっかけに誕生したと伝わっています。
長生きの象徴である鶴亀や松竹、めで“鯛”、だるま。“縁起物”というとなんだか身が引き締まりますが、よく考えてみるとそのほとんどは、クスッと微笑ましくなるような語呂合わせや言葉遊びから成り立っています。昔の人は日常に小さな楽しみを見出すのが本当に上手だなと感心します。現代に生きる私たちも、あまり難しく考えすぎず何気ない毎日を楽しくハッピーに過ごしていけたらいいなと思います。
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