こんにちは。和菓子コーディネーターのせせなおこです。秋も終わりに近づき、いよいよ冬がやってきました。寒さが苦手な私ですが、お汁粉だけは寒い季節に食べるのが1番。あつあつの湯気からあんこをすくい、ふーふーと息を吹きかけながら食べるお汁粉の味は何にも変え難い特別な味わいです。

九州出身の私はぜんざいはつぶあん、お汁粉はこしあん、という認識で育ちました。一方、関東では「汁粉」は汁気があるもの全般を指し、こしあん、つぶあんをそれぞれ御膳汁粉・田舎汁粉と区別します。お汁粉なのにつぶあん!?!?と初めて知った時の衝撃は今でも忘れられません。
だんだん寒くなってくる今の季節、祖母の家に行くと、よくぜんざいを作って出迎えてくれていたことを思い出します。「あずきは下に沈んでいるから、下からすくって食べてね」。1杯目はぜんざいで食べ、2杯目は上澄みだけをすくって「お汁粉だ〜!」なんて言いながら、そして3杯目はあずきだけをすくって食べていました。振り返ると、ぜんざいもお汁粉も全種類を食べていたのか...という発見と、それにしてもよく食べていたなぁと今では微笑ましい思い出です。
お汁粉の歴史を辿ると江戸時代まで遡ります。もともと餡汁粉(子)餅だったのが略されて汁粉になったといわれ、砂糖の使用が一般的になった江戸時代中期〜後期にかけて一般庶民にも広まったとされています。

当時の汁粉屋は、今のように甘味屋で食べるというよりは屋台で食べるのが一般的でした。流行していたお店が掲載された「汁粉番付」が残っているほど、江戸では大人気の食べ物。今のうどんやラーメンのような感覚で食べられていたんだそう。甘党にはたまりませんね!時代は進み、大の甘党で知られた明治の文豪、芥川龍之介は大の甘党で知られており、「しるこ」という随筆を書いています。昔は今よりももっとお汁粉が日常的に親しまれていたのでしょう。

そして、お汁粉といえばお餅や白玉も欠かせません。もちもちの白玉も大好きですが、お汁粉に染みてふやふやになった焼き餅もたまりません!

だんだんと寒くなるこの季節。身も心も寒くなりがちです。温かいお汁粉でゆっくり温まって、ほかほかの心で冬を迎えられるといいなと思います。
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