こんにちは、和菓子女子のせせなおこです。
暦の上では夏。春の余韻にもう少し浸らせて…と思いながらも、今年は例年より早く梅雨入りし、夏の訪れをより一層実感します。
これから始まる暑い時期はさっぱりしたものが食べたくなりますが、それは和菓子も一緒。水羊羹やあんみつ、水まんじゅうなどつるっと喉越しの良い商品が店頭に並びます。
そこでおすすめしたいのが、意外だと思われるかもしれませんが「外郎(ういろう)」です。ういろうといえば、名古屋のお土産の定番!というイメージしかなかったのですが、実はいろんな地域の名物として栄えていて、さらにその名前の由来も、とにかく驚きの多いお菓子なんです。
ルーツを探ると、ういろうの始まりはなんと薬だそうで、びっくりです。そして、この薬を作っていたのが外郎家。なんとういろうは名字でもあったとのこと。名字がお菓子の名前だなんて、和菓子好きの私には羨ましい限りです。
その薬をきっかけに生まれたのが甘いういろうです。見た目が薬のういろうに似ていたという説、そして、薬の口直しに食べていたことから名前がついたという説があります。当時は薬と区別するために「お菓子のういろう」とも呼ばれていたんだそう。
そして、1659年、尾張藩の藩主に仕えていた陳元賛から作り方を学んだことをきっかけに名古屋でのういろうづくりが始まります。昭和に入り、駅のホームで売られるようになり、名古屋のお土産として広まっていったんだそう。名古屋のういろうは米粉とお砂糖が基本の材料。もちもちとした弾力が特徴です。ういろうを使ったもなかやかわいいパッケージのういろうが魅力的です。
次に紹介するのは、徳島県の阿波(あわ)ういろう。初めて出会った時にういろうの概念を変えてくれた、思い出深いういろうです。阿波ういろうの特徴は和三盆が使われていること。というのも、「和三盆」がうまれたお祝いに食べられるようになったのがこの阿波ういろうなんです。あんこ、米粉、餅粉が入っているため、名古屋のういろうとは食感が大きく異なります。むちっとした弾力のある食感で、あずき味のお餅といったイメージです。
最後に紹介するのが、山口のういろう。山口ではういろうにわらび粉が使われていて、その食感はまさにわらび餅!!さらに、他の地域が棹ものであるのに対して、山口のういろうは一口サイズが一般的。ぷるんとした食感でさっぱりとしているので夏にはぴったりです。
どの地域のういろうも冷やして食べるとよりおいしさが増し、とてもおすすめです。これからの季節は6月のお菓子、「水無月」のようなういろうを使ったお菓子も増えてきます。色々食べ比べてお気に入りを探してみてください。今年の夏も暑くなりそうです。あまり頑張りすぎずに、心も身体も健やかに過ごしましょう!
かぎ甚×暦生活「水無月(みなづき)」発売開始!
暑気払いとして、氷に見立てて作られた水無月。京都の老舗和菓子屋かぎ甚さんと、3種類の水無月を作りました。
1年の折り返しにいただく、歴史ある和菓子です。
暦生活の商品 ITEM
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