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花見酒はなみざけ

旬のもの 2020.04.16

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こんにちは。日本酒ガールの松浦すみれです。

4月は、はじまりの季節。人々の出会いと別れが交錯する日々に、無心に咲き誇る桜の花は、いつの時代も、人の心を捉えて離しません。春を迎え、喜びに溢れたように咲き、また潔く散る姿に、どこか憧れを抱きながら、今年も新しいスタートを切ります。

これまで、花に誘われるまま、朝な夕なにそぞろ歩いた京の春の記憶。数年前、友人たちと賑やかにお弁当を広げて花見をした京都御所。艶やかな桜が、高瀬川に浮かび上がっていた木屋町の夜。何気ない春の情景が、今年はより一層、鮮やかに思い浮かびます。

街中から離れて、山々を眺めてみると、淡い桜色がそこかしこに。各地では、春祭りの季節を迎えます。古くから、神輿に山の神様をのせて里へ下り、村々を練り歩き、春がもたらされました。山裾に波打つように咲く桜は、まるで神様がもたらす里山の春の色。人里に寄り添うように、優しく咲いていました。

平安時代にも、貴族たちの間で、桜を愛でる花見の宴が催されていました。源氏物語絵巻には、桜の咲くところへ美しい女性が現われ、主人公・光源氏や貴族たちが魅了される場面がいくつも描かれています。なかでも、「花宴」の一場面に、朧月夜の君が登場するシーンはとても幻想的です。

盛大な桜の宴の後、光源氏が想い人と会うことが叶わず、ほろ酔いで御殿を彷徨っているところへ、「朧月夜に似るものぞなき―」と口ずさみながら、美しい貴女が現われます。ふたりは互いに名も名乗らず一目で恋に落ちますが、実は政敵の娘であり、互いに道ならぬ恋に身を投じてしまいます。誰かを想う切なさと、魅入られてしまう瞬間が、桜のはかなさに投影されているようです。

花が咲き散る、短いあいだに、人は桜に想いを重ねて、めくるめく変わる花の表情に魅了されてきました。

今月のお酒「しゅわっとスパークリング日本酒」

スパークリングSAKEとして人気の発泡清酒。まるでシャンパンのような泡を含み、瓶もおしゃれなデザインなものが多く、乾杯酒にもぴったり。甘い口当たり、低アルコールで穏やかに酔えることもあり、日本酒に抵抗がある女性には、まず最初の入り口としておススメしています。発泡清酒には、発酵によって生まれた炭酸ガスを含むものと、日本酒に炭酸ガスを注入しているものがあります。フルーティな香りとジューシーな味わいのものが多く、これもお米から造られているなんて…!信じがたい感動を味わえることも。

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松浦すみれ

ルポ&イラストレーター
京都生まれ。京都の神社で本職の巫女を経て現職。現在、滋賀と京都の二拠点生活。四季折々に酔いしれて、絵と文を綴る日々。著書『日本酒ガールの関西ほろ酔い蔵さんぽ』(コトコト)。
photo:©️NAOKI MATSUDA

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