暑さが続く毎日ですが、あっという間に8月も下旬、暦の上ではすっかり秋になりました。空を見上げた時の雲の形、旬の野菜や果物が夏のものからだんだん変わってきて、少しずつではありますが秋を感じることが増えてきました。とはいえまだまだ暑いこの季節、つるっと喉越しのいいもので夏の終わりを乗り切りたい!そんな今回のテーマは「葛切り」です。
初めて葛切りに出会ったのは確か小学生の頃。春雨でもところてんでもない、透明で麺状の食べ物。正直、ところてんの最後にぷつん、と切れる食感ががあまり好きではない私。初めて食べる葛切りはあんまり、いやほとんど期待せずに口に入れました。するとなんとびっくり!口に入れたときのヒンヤリとした感じ、そして、もっちりと弾力があるもちもち食感にすぐに虜になってしまったのでした。
そのあとはなかなか葛切りに出会う機会はなく、その次に出会ったのは和菓子が好きになった5年ほど前のこと。葛切りが有名な京都の名店に行きました。おせちのお重のような素敵な器に氷水で冷え冷えの葛切り、その下の段には蜜が入っています。この蜜も白蜜、黒蜜から選ぶことができ、しばらく悩んだことを覚えています…!(結局その時は黒蜜を選びました。)
こちらのお店では本葛が100%使われていて、初めて食べた葛切りをも覆すもちもちとした食感、冷やしてある氷とお水のまろやかさ。「これが本物の葛切りか〜!!!」とあまりのおいしさに、嬉しい気持ちが溢れ出してニヤニヤしながら食べました。
葛の産地は奈良県の吉野、石川県の宝達などが有名です。しかし、近年は資源の減少と葛の根を採取する方の高齢化により、本葛の生産量は少なく高価。混じり気のない本葛を食べられる機会は少なくなってきています。日々口にするものではないからこそ、食べる時はそのありがたみを感じながら食べたいものです。
ちなみに、生産量第一位は鹿児島県。以前鹿児島に住んでいた時、和菓子屋さんで鹿児島は葛の生産量が一番多いことを教えていただきました。想像をはるかに超える噛み応えある弾力が鹿児島の葛の特徴なんだそう。鹿児島では葛切りではなく、葛餅として食べる方が浸透している気がします。
黒蜜やきな粉で食べるのが一般的な食べ方ですが、最近ではフルーツの入った葛切りなど変わり種も豊富。より親しみやすいおやつになってきました。当たり前が変わりつつある今日この頃。今まで食べていた身近なものより一層味わって食べたいなと思います。
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