こんにちは。和菓子女子のせせなおこです。
明日でちょうど1年の半分。これまでの半年を振り返りながら、明後日からの半年間もいい日々を過ごせますように!と願う行事が”夏越しの祓(なごしのはらえ)”です。
そんな6月30日に食べる和菓子があると知ったのは、和菓子が好きになった数年前のこと。私の育った九州では見たことのないお菓子でした。しかし、この時期になると京都では当たり前のように売られていることを知り、さすが京都だなぁ!と感動したのを覚えています。
そのお菓子というのが、水無月(みなづき)というもの。三角形の形をした外郎生地にたっぷりとあずきがまぶしてあります。
平安時代、氷室から氷を切り出して邪気払いをする「氷室の節句」という行事が行われていました。水無月の三角形はこの氷をモチーフに、そしてあずきは邪気払いの意味を込めて作られたものといわれています。そして、いてもたってもいられなくなった私は水無月巡りのために京都へと向かったのでした。
京都では噂通り、どのお店でも水無月が売られていて、さらに外郎生地に抹茶が練り込まれていたり、黒糖が練り込まれていたりと種類も豊富。見ているだけで楽しい…!
そんな中、ある和菓子屋さんで話が弾み、水無月巡りのために来たことを伝えると、とても嬉しそうに、でもちょっとさみしそうに口を開いてくれました。
「最近は親が和菓子を食べないから、子供に伝わらない。”水無月を食べる”という文化を子どもたちがどこかで知った時に食べれないのって辛いよね。」と。
さらに、
「教科書で見るんじゃなくて、やっぱり本物を残してあげたい。京都でもだんだん和菓子職人が少なくなって文化が薄れてきているんだよ。『昔は6月30日に水無月というお菓子を食べる文化があったんだよ』そう歴史になってしまうのはすごくさみしい…」
和菓子といえば京都!というイメージにとらわれて、京都で文化が衰退していっているなんて…。文化や歴史が根付き、そして守ってきた京都だからこその視点だなとはっとした瞬間でした。当たり前に和菓子が食べられる日々に感謝しつつ、もっと和菓子の良さが伝わって行ったらいいなと願うばかりです。
これから始まる2020年後半。どんな素敵なことが待っているのかな。わくわくしながら明日は水無月を買いに行こうと思います。
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