こんにちは。暦生活編集部です。
今日は「やつで」のお話です。
やつでってなんだろう?
そう思われた方も多いかもしれませんが、やつでは大きく広げた掌のような形の葉をした、古くから日本で親しまれてきた常緑樹です。7つから9つに分かれた葉先を、「末広がり」として縁起のいい「8」と数えて「八手(やつで)」という名前がつけられたそうです。
一度見たら忘れられない印象的なやつでの葉は、別名「天狗の羽団扇」(てんぐのはうちわ)といい、厄除にもちいられることも。たしかに、私が思い浮かべる天狗もやつでの葉のような団扇を持っているような・・・。
調べてみると、天狗が持っている団扇はやつでの葉そのものではないようですが、この別名を知ってからというもの、やつでは私のなかでとても興味深い、神秘的ともいえる不思議な魅力を持った植物になりました。
どちらかというと葉が有名なやつでですが、初冬には小さな白い花が玉のように群れ咲きます。花の少ない時期に咲くので、花蜂や花虻がよく訪れます。
葉と比べると控えめな印象の花ですが、天狗のうちわのような葉とあわさると、これまたどこか神秘的に見えてきます。ちなみに、「八手の花」は初冬の季語。
やつでは昔から魔を払う縁起のいい植物とされ、玄関先にやつでを植えると厄除けになると信じられてきました。また、風にゆられると大きな手のような葉が招いているように見えることから、商売を営む家には特に好まれていたようです。
常緑樹でいつも青々とした葉を見せてくれることで、気持ちを明るくしてくれることもあったと思います。
やつでの葉は生薬にもなり、ヤツデサポニンという成分が虫除けの効果を持つことから殺虫剤としても利用されています。
昔から、人の暮らしを陰ながら支えてくれているやつで。
今度見かけたら、今までより親しみを持って接することができそうです。
