こんにちは、料理人の川口屋薫です。
シャキシャキした食感、パリッとしたみずみずしさ、ほのかな苦さと甘み、光沢を帯びた淡い緑色…春の深まりを感じる優しい雰囲気の『春レタス』のお話です。

春レタスの旬は4月から5月、出荷量トップは茨城県です。
利根川が流れる猿島(さしま)台地を始め、水はけの良い平坦な土地が多く、年間を通して温暖な気候に恵まれているのでレタスの栽培に適しています。また、物流システムが整ったことにより東京方面へ新鮮なレタスを運ぶことが可能になりました。
なお、春レタスの主要産地は長野県、兵庫県でも栽培が盛んです。

レタスを包むカシャと音のする包装フィルムは、雑菌混入や衝撃から守るために保護されています。さらに、乾燥を防ぐことや、レタスが出すエチレンガスを排出し劣化を遅らせる役割も果たしているのだそうです。
また、購入後は芯の部分に小麦粉をつけて冷蔵保存したり、氷水に浸けて水分を吸わせ畑にいた頃のような状態にすることで、鮮度や味を守る様々な方法が考案されています。

レタスの歴史はとても古く、紀元前4500年前から、古代エジプトでつくられていたそうです。日本には8世紀奈良時代の頃に中国から伝わり、一般的な結球した玉レタスは江戸時代末期から明治頃に欧米から伝わったとされています。

和名の「ちしゃ」から、搔きちしゃ、葉ちしゃ、玉ちしゃと呼ばれていたそうです。古典落語に「ちしゃ医者」「夏医者」といった演目があることから、江戸時代の庶民の間で馴染みのある野菜だったことが伺えます。
いくつかあるちしゃの漢字の一つに「乳草(ちちくさ)」があります。茎から出る苦い白い液が由来になっています。ポリフェノールの一種の成分が含まれていて、軽い鎮痛剤、睡眠効果、リラックス効果があるとされています。
また、英語のレタス「lettuce」の名前もラテン語のミルク「lac」から来ています。

レタスは、春に続いて、高原地帯で栽培される夏秋レタス、温暖な地域で栽培される冬レタスと気候や地形を活かして栽培される四季折々の味を楽しめる野菜です。
今回は、オリーブオイルを加えるとパスタソースにもなる春レタスを使ったイタリアンレシピをご紹介します。
春レタスとカニカマと卵のガーリックオイル炒め

材料(2人前)
•春レタス 約150g (約半玉分)
•カニカマ 約80g(軽く裂きます)
•溶き卵 2個分
•塩胡椒 少々
A
•ニンニクスライス ½片
•オリーブオイル 大さじ1

作り方
①春レタスは洗って水気を切り、1枚につき3から4回、手でちぎります。
②フライパンにAを入れて、弱火で温めます。
③カニカマ、溶き卵を入れて、中火で軽く炒めてから春レタスを加えます。さっと炒めて塩胡椒で味を整え、オリーブオイルを少したらして完成です。


川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
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