こんにちは、昆虫写真家の村松です。
今回はムラサキシジミについて書いていきます。
ひと目見ただけでは地味な小さなチョウの仲間です。
よく見ると、その地味な模様の中には濃淡があり、波模様などが見えてくると味わい深いものがあります。
でも実は、羽を広げるととても美しい青紫の羽を持っているんです。
細かくはばたいて、素早く飛び回るのですが、茶色の羽と青紫の色が交互に見えるのでキラキラと輝いて見えることもあります。
幼虫が食べる葉っぱは、アラカシやクヌギなどのブナ科植物で、都市部の公園でも植えられています。
ですから、公園などでも普通に見られる身近なチョウの仲間です。
成虫の姿で冬を越す昆虫なので、冬場でも数個体で集まってじっとしているところを見ることができます。
冬の間にも探しているのですが、残念ながら私とはまだ縁が無いようで、見ることが叶っていません。
素早く飛ぶので、他のチョウよりも捕まりにくそうなのですが、それでも天敵はたくさんいます。
鳥に捕食されることもありますし、待ち伏せしているクモの仲間に捕まることもあります。
撮影のため、観察したり追いかけたりしている最中に邪魔が入るのはよくあることで、この時も何匹かのムラサキシジミを追いかけていたはずなのですが、そのうちの一匹が途中からまったく動かなくなりました。
葉っぱの止まり方がおかしいと思って、よく見てみるとクモに捕まってしまっていたんですね。
これも、自然の中での命の営みの一端です。
警戒心が強い昆虫なので、近づくとすぐに飛び立つのですが、じっとしているよりも動き回っている方が好きなのかもしれません。
他の昆虫を撮影している時に、視界の端に何かが飛んでやってきたのを感じたので見てみるとムラサキシジミでした。
向こうからやってきてくれるなんてカワイイところがあります。
日向ぼっこをしてくれると、羽を広げてキレイな羽も見せてくれるんですが、だいたい飛んで逃げられることのほうが多いです。
冬を成虫で越すので、春になって暖かくなると早い段階から見ることができるチョウの仲間です。
春先から飛んでいますので、公園などにでかけた際には探してみて下さい。
広げた羽の美しさも観察できると、見え方も変わって楽しいですよ。
写真:村松佳優
村松佳優
昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。
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