こんにちは。料理人の川口屋薫です。
今日のお話は、「ルッコラ」です。
原産地は地中海沿岸地域。温暖な気候で育つことから、日本では春と秋が種蒔きの適期とされ、約1ヶ月後から収穫できるので、旬は春と秋にあたります。
ルッコラは、イタリア料理のアクセントとして使われる代表的なハーブのひとつです。
ピリッとした辛さと胡麻のような香りが特徴ですが、どこか和の薬味に似ているような、日本人の口に親しみを感じさせる風味があります。
日本では、一般的にルッコラと呼ばれているものは、ふんわりと丸みのある葉をしています。 他には、より野生的な辛みの強い味がある、セルバチコというギザギザした切れ目のある細長い葉をしているものがあります。
私は北イタリア•ミラノ近郊で5年半、イタリア料理の勉強をしたのですが、そこで教わったルッコラやセルバチコの食べ方をいくつかご紹介したいと思います。
まずは、オリーブオイルとレモンの絞り汁をかけたシンプルな食べ方。スモークサーモンのねっとり感と強い燻製風味、ルッコラのシャキシャキ感の爽やかさ。クリームチーズを加えると、辛味と甘さのバランスが良くなります。
肉料理にもよく合います。ステーキや焼いたベーコンに添えます。他には、生ハムかサラミ、ピーラーで削ったパルミジャーノチーズ、セルバチコ、オリーブオイルをかけて、パンに挟みます。味の強い食材の時は、出来ればルッコラよりセルバチコの方が絡みが強く、味を引き出し合います。ブロックのパルミジャーノチーズは少し値が張りますが、ミラノっ子が小さい頃から食べ親しんできた味を、おうちで満喫することが出来ます。
もっと気軽に本場イタリアの食べ方を楽しみたい時は、テイクアウトのピザに、買ってきたルッコラかセルバチコをのせるだけもおすすめです。
イタリアのピザ屋でもメニューには載っていないことが多いのですが、「マルゲリータを1枚、フレッシュのルッコラをつけてください」と注文すると、「Va bene!いいよ!」と快く返事をしてくれます。
どの味のピザでも合いますので、よかったら試してみてください。
最後に、買ってみたけど余ってしまった場合などにおすすめの簡単な副菜を紹介します。さっと15秒茹でたルッコラかセルバチコの水気をよく取った後、刻みます。ハムと春にんじんを加えてマヨネーズで和えたら完成です。
最近ではスーパーなど身近に利用するお店でもルッコラやセルバチコを見かける頻度が増えてきましたので、春のイタリアンのアクセントに使ってみてください。
写真提供(1枚目以外):川口屋薫
川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
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