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オオカマキリ

旬のもの 2023.07.19

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こんにちは、昆虫写真家の村松です。
昆虫の写真を撮影し、その魅力を紹介するWebメディア「ムシミル」の運営をしています。ムシミルで検索してみてください。

今回は自然界のハンターとしても有名なオオカマキリを紹介します。

日本に生息するカマキリの仲間は10種程度でそれほど多くはありませんが、オオカマキリはその中でも最大級の大きさです。

身近な場所で見られ、公園や庭先などでも見ることができるのでとても馴染み深い昆虫です。
前脚がカマ状に発達しており、獲物を見つけると素早い動きで挟み込んで捕まえます。

オオカマキリ

冬の間は卵の状態で過ごしていますが、スポンジ状になった卵鞘(らんしょう)に守られています。
カマキリは種類によって、この卵鞘の形が違うので比べてみると面白いです。
オオカマキリの卵鞘は、お寺などで見かける釣鐘のような形をしているのが特徴的です。

オオカマキリの卵鞘

春になって暖かくなると、ここから幼虫がワラワラと出てきます。
冬の間に見つけた卵を室内においておくと、まだ春になっていないのにカマキリが孵化(ふか)してしまって大変なことになったという話なんかも聞きますね。

孵化したばかりの幼虫はとても小さいですが、ちゃんとカマキリの形をしています。

孵化したばかりの幼虫

幼虫から成虫になるまで、脱皮しながら大きくなっていきます。
小さくても肉食のハンターですが、まだ小さいのでアブラムシやショウジョウバエなどの小型の昆虫しか捕まえることができません。

アブラムシを狙う幼虫

小さな獲物を狙うところからスタートして、成長するたびに捕まえることができる獲物も大きくなっていきます。
そうやって成虫になったオオカマキリは、大型の昆虫でも捕食してしまう昆虫界屈指のハンターです。

しかし、大きく育つまでには苦難をたくさん乗り越えなければなりません。
生まれたての幼虫は、アリに襲われて巣に引きずり込まれてしまうこともあります。鳥などに狙われるのは、絶体絶命の大ピンチです。
動いているものをエサと認識するので、同じ卵から出てきた幼虫同士で争うこともあります。

たくさんの苦難がある弱肉強食の生存競争を勝ち抜いたものだけが、成虫になって子孫を残すことができるんですね。
大人になれるのは数%程度と言われています。

茶色のオオカマキリ

オオカマキリの中には、緑色のものや茶色のものを見かけます。
同じ種類でも色が違っているんですね。
たまに黄色いカマキリも見つかるみたいですが、黄色いのはとてもレアでニュースにもなります

今の時期はまだ幼虫が多いと思いますが、散歩している途中で出合うこともあるでしょう。カマキリを掴む方法もありますが、うまくやらないと手をはさまれてしまうので注意が必要です。

おすすめは、そっと手に乗せてあげることです。
腕を登ってきますが、挟んだり噛まれたりすることはほとんどないのでおすすめですよ。

そっと手に登らせたカマキリ

写真:村松佳優

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村松佳優

昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。

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