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赤かぶ

旬のもの 2023.09.25

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漬物男子 田中友規です。

毎日、毎日カレーを作っています。毎日、毎日カレーを作っています。

というのも、最近冷凍カレーの販売を始めまして、そんなに売れないだろうとタカを括っていたら、ありがたいことにそこそこ出るものですね。

特にカラフルな副菜を添えたスパイスカレーが人気で、赤や紫の野菜が入ると一気に華やかになるため、スーパーで赤い野菜が目にはいるとつい買い物かごへポイっと無意識で入れてしまいます。

赤い野菜というのは案外多いもので、トマト、パプリカ、赤かぶ、ビーツ、紫キャベツに、赤しそ、赤たまねぎなどなど・・・どれも使い方次第でカレーにうまく合わせられるので、味だけでなく色を意識した料理を楽しむというのもまた面白いものです。

調べてみると、同じ赤い野菜でも全然栄養価が違う!

トマトはリコピンで抗酸化作用、パプリカ、赤かぶはビタミンCが豊富で美肌効果あり。ビーツ、赤キャベツ、赤しそにはアントシアニンというポリフェノールの一種が含まれているそう。

ほうほう、いままで同色でまとめた漬物を作ったことがないなと思い、さっそく試してみました。

赤い漬物は変色を防ぐためにも酢漬けがおすすめ。
しゃきしゃき、きゅっきゅと口の中もいい音がします。

中でもひときわ良い仕事をしているのが赤かぶで、他の野菜が個性的に主張してくるところを、どっしりと受け止めてくれる懐の深さがあります。

さながら1クラスに集まった個性豊かな生徒たちを、落ち着いた雰囲気で牽引する先生のよう。思わず赤かぶ先生と名付けてしまいました。赤かぶ先生は、見た目は派手ですが味にクセがなく、さっぱりとした性格です。どんな味付けでも文句を言わず、いつでも、人生楽ありゃ苦もあるさ、と微笑んでくれるので、旬の野菜をミックスしたサラダや、肉や魚の付け合わせにしたって、赤かぶ先生なら大丈夫。抜群の安定感です。

しかし、そんな先生が自らの存在感を主張してくる時があります。
それが漬物界でも最も大きい部類に入るであろう4つ切りの赤かぶ漬です。

赤かぶ漬は、農林水産省がまとめる新潟県の郷土料理にも選ばれており、新潟の土で育った赤かぶは特に歯応えが良いそう。がぶっとかじりつくことで本当のおいしさがわかります。スライスしちゃあもったいない。

これからの時期、ちょうど市場に出回る赤かぶ先生を見かけたらぜひ一度漬物にしてみてください。

作り方も至極シンプル。
皮を剥かずにたっぷりの塩でまずは水抜き。しんなりとするまで漬け込みます。柔らかくなったら流水で塩を抜き、仕上げに甘酢に漬け込むだけ。

1週間くらい漬け込むと、皮のアントシアニンが身のほうまでまわって全身ピンクに変化します。

写真提供:田中友規

4つ切りの赤かぶ漬は、なにか料理に合わせるといったことを考える必要はありません。いやむしろ合う料理がないのかもしれません。

写真提供:田中友規

今日も今日とてカレーの試作を食べておりますが、赤かぶ漬と合わせるのは 無粋。食後の口直しとしてぜひどうぞ!

写真提供:田中友規
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田中友規

料理家・漬物男子
東京都出身、京都府在住。真夏のシンガポールをこよなく愛する料理研究家でありデザイナー。保存食に魅了され、漬物専用ポットPicklestoneを自ら開発してしまった「漬物男子」で世界中のお漬物を食べ歩きながら、日々料理とのペアリングを研究中。

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