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土鍋

旬のもの 2023.11.19

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二十四節気では「立冬」を迎え、本格的に冬のシーズンに入りました。
寒いだけで体力が奪われるからか、夜は早く眠くなるし、朝はなかなか起きられなくなります。さらに冷え性ともなると、日に日に身体が冷えて辛い...。動物たちのように冬眠したくなってしまいますね。

ですが、嘆いてばかりはいられません。この季節ならではのイベントを存分に楽しまなくては。そこでおすすめしたいのが、今日のテーマ「土鍋」です。

土鍋といえば、もうみなさん、頭のなかではあのかたちを想像しますよね。

土を原料とする陶器で、丸みを帯びた胴に蓋がついている鍋。
ちゃんこ鍋や水炊き、おでんに大活躍する、あの定番の料理道具です。

土鍋の最大の特徴は、直火がオーケーなところ。
耐火度の強い粘土を使ってつくられているので、一般的な陶器よりも厚みがあって強いのです。さらに土鍋の素地には、目には見えない小さな穴が空いているので、熱を逃しにくい。保温性にすぐれていて、鍋全体がゆっくりゆっくりあたたまるので食材の旨みを最大限に引き出してくれます。

土鍋の歴史は古く、縄文時代につくられた土器にその起源はあります。
もともと縄文人は「狩猟民族」として生肉を食べていましたが、やがて移動するために食料を運んだり保存したりする道具が必要となりました。そこで生肉を焼く道具として「縄文土器」が使われるようになり、野菜と一緒に食べるようになったといわれています。

その後は、米を耕す「農耕民族」へ移行していく過程で雑穀を雑炊のように煮ることをおぼえ、定着していったのだそう。竪穴式住居には囲炉裏があり、みんなで土器を囲んで食べる習慣があったという記録も残っているようです。

昔の人も、現代人のように「鍋を囲む」習慣があったのですね。

さて、私は土鍋マニアでございまして、大きいものから小さいものまで6つの土鍋を持っています。

ざっくりですが用途は分かれていて、ご飯炊き用、カレーやシチュー用、お味噌汁用、炒め物用、鍋用、ソース作り用...などです。少しだけ紹介しますね。

いつもご飯を炊くときはこの鍋を使っています。

写真提供:高根恭子

ちなみに私は実家を出てひとり暮らしをはじめたときからずっと炊飯器を持っておらず、土鍋でお米を炊いています。
「不便じゃない?」とよく心配されるのですが、全然不便なことはありません。寧ろ、ふっくらとおいしいご飯が炊き上がるし時間もそんなにかからないので、とても重宝しています。

先日は、土鍋でおでんをしました。

写真提供:高根恭子

この写真は欲張って具を入れすぎてしまいましたが、一晩置いたらはんぺんなどがだんだん沁みてきて、食べるころにはいい塩梅になっていました。

私が持っている土鍋は伊賀焼で、炒め物もできるタイプなので、よくお肉も焼きます。

写真提供:高根恭子

疲れて、いつもよりちょっとお肉をたくさん食べたいなぁというときも必ず土鍋が登場します。ゆっくり火が通るからお肉が柔らかくなっておいしいんです。

お肉を食べた後はさらに、肉の脂がほんのり残っているところにきのこをどっさり入れて、しょうゆを回し入れ、軽く炒めてからすだちをかけて食べてみましょう。お肉やきのこの旨みにすだちの爽やかさがアクセントになって、たまらないのです。

もちろん、普通の鍋物もします。ちゃんこ、キムチ、豆乳、塩麹...。
スープは自分で色んな調味料をブレンドしてつくることが多いですが、たまにスープの素を買って来ることもあります。どの味にしようか、選ぶのも楽しい時間ですよね。〆は雑炊にしようか、それともラーメンやパスタにしようか。具はこんなものも入れてみようか。
アレンジも含めて、鍋ってつくる前からホクホクな気持ちにしてくれるなと思います。

みなさんは土鍋でなにをつくりますか?
寒い季節、食卓にポッと明かりを灯す土鍋で芯からあたたまりましょう。

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高根恭子

うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。

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