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数の子かずのこ

旬のもの 2023.12.29

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今日のお話は、「数の子」です。
ニシンの卵で、名前の由来は諸説ありますが、アイヌ語や東北地方の方言では、ニシンを「カド」と呼んでいたことから「カドの子」が訛って「数の子」になったとされています。
「カド」は、小ぶりのニシンとイワシがよく似ているため、頭が角ばっているニシンのことを「カドイワシ」と言ったことからきています。

数の子の歴史は、室町時代の山科家礼記(やましならいき)に、天皇に用度係として仕えていた山科家が、京都市内で数の子を購入したことが記されています。また、足利義輝に献上されたこともあることから、身分の高い者達の食べ物だったことが伺えます。

江戸時代になると、徳川吉宗が「正月だけは、富める者も貧しい者も同じ食べ物で祝って欲しい」。とお節料理に数の子を入れることを奨励。こうして庶民にも広まっていきました。

また、徳川吉宗は倹約家であったことから、この時代の数の子は特に高価な食べ物では無かったようです。

当時は天日干しにした干数の子が主で、水につけて戻す日数も3日ほどかかります。

塩漬け数の子は、明治時代から始まり、現在ではこちらが一般的になっています。水につけて塩を抜く時間は半日ほどですので、干数の子より、下準備は短時間で出来ます。昭和5年に書かれた北大路魯山人の「数の子は音を食うもの」では、正月でなくても、好物として普段でも食べていた魯山人が、干数の子の方が美味しいと評しています。一方で、塩数の子は斜めに薄く切って甘酢につけた方が良いなどと書いています。美食家魯山人の文章は読み応えがありますので、良かったら「魯山人味道」の本を手に取ってみてください。

数の子と言えば、お正月のお節料理の定番料理ですね。
数の子、黒豆、田作り(ごまめ)は祝い肴三種と関東地方では呼ばれています。関西地方では田作りがたたきごぼうに変わります。
数の子はたくさん卵があり、数が多い子、たくさんの子宝に恵まれて代々栄えますようにと子孫繁栄を願う縁起の良い意味が込められています。

子供の頃、両親からこの話を聞き、ご先祖さまが数の子を食べたから、祖父母、両親、兄弟、私も、この世に生まれてくることができたのかなと子供なりの解釈をした思い出があります。

お正月、お節料理の数の子のパリパリ、プチプチ、パチパチ、音を立てながら味わうのが楽しみです。
今日は、数の子のポテトサラダのレシピをご紹介します。数の子のプチプチと爽やかな柚子の香りがアクセントです。

それでは、読者の皆様、どうぞ良い新年をお迎えください!

「数の子と柚子のポテトサラダ」

写真提供:川口屋薫

材料(2人分)

•塩抜きした数の子 50g
•茹でたじゃがいも 150g
•柚子の搾り汁 小さじ2 (1個)
•塩揉みした胡瓜 50g (¼本)
•スライスオニオン 15g(⅛個)
•砂糖 小さじ1
•マヨネーズ 大さじ1と1/2

写真提供:川口屋薫

作り方

① 塩抜きした数の子を薄く切り、柚子の絞り汁と砂糖を加えて、軽く混ぜ合わせます。
② ボールに、茹でたじゃがいもを潰して、マヨネーズを入れて混ぜます。
③ ②に①、塩揉みした胡瓜を絞ったもの、スライスオニオンを混ぜ合わせたら完成です。うつわに盛り付けて、刻んだ柚子の皮をパラパラかけると、見た目が綺麗です。

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川口屋薫

料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁

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