2023年も今日を含めて残り2日となりました。
みなさん、お疲れが出ているころではないでしょうか。大掃除に新年の準備などバタバタが続く毎日だと思いますが、どうか、このコラムを読んでいるときだけはホッとひと息安らぐ時間にしてくださいね。
今日は、そんな1年の疲れが溜まったみなさんにおすすめ、「甘酒」のお話です。
甘酒は、とろーりとした舌触りが特徴の、栄養たっぷりの飲みもの。
大晦日にはよく、お寺や神社などで振る舞いとして出されるもので、冷え切った身体を芯からあたためてくれます。
甘酒には2つの種類があり、米と麹からつくる「麹甘酒」と、酒粕からつくる「酒粕甘酒」があります。
麹甘酒は、ご飯に米麹と水を混ぜて発酵させたもの。麹の酵素がお米に含まれるデンプンをブドウ糖に分解するので、砂糖を入れなくてもやさしい甘みをたのしめます。さらに、アルコールが入っていないので大人も子どもも安心して飲めます。最近、市販でも麹甘酒が多く出回っていますね。
対して酒粕甘酒は、搾った日本酒の粕(酒粕)を水で溶かし、砂糖を加えて甘みを出したもの。日本酒の香りやアルコール成分は少し残っているので、ほどよくお酒をたのしみたい人におすすめです。また、酒粕があればつくることができるお手軽さもうれしいですね。
もともと甘酒は、「一夜酒(いちやざけ)」や「醴(こさけ)」と呼ばれていました。
起源は諸説ありますが、『日本書紀』によると古墳時代に木花咲耶姫(このはなさくやひめ)という神がつくった天甜酒(あまのたむざけ)がはじまりではないかといわれています。
江戸時代に入ると本格的に「甘酒売り」の行商が人気を集めることで、庶民に広まっていきました。
とくに夏は厳しい暑さで、食が細くなり体調を崩す人が多かったことから健康飲料として「冷やし甘酒」が提供されるようになり、幕府も奨励するほどだったのだとか。
そのためいまでも俳句の世界で「甘酒」は、夏を表す季語になっているのだそう。
なるほど、甘酒は冬に飲むイメージが強かったのですが、こうして知ると季節を問わずに積極的に飲んでみようという気持ちになりますね。
ちなみに我が家の冷蔵庫には、酒粕か麹甘酒が常にスタンバイ。「なんだか本調子ではないなぁ」というときにお湯で割って飲んでいます。とくに寝る前に飲むのがお気に入りで、甘さもその日の気分で調節できるし、じんわりポカポカになって気持ちも前向きになる気がするのです。そうそう、ちょうどこの文章も書きながら甘酒を1杯飲み干したところなので、いまとてもいい気分でパソコンに向かっています。
お米の感触を噛みしめながら、
健康でいられることに感謝しながら、
「今年も一年お疲れさまでした」と心から自分を労いながら。
みなさんも適度に自分をほぐしながら、良い新年をお迎えくださいね。
高根恭子
うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。
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