春が近づく頃、冬野菜も終わりを告げようとしています。
代表的な冬野菜の一つと言えば白菜ですが、今年もお鍋の材料、煮物、漬物で大変お世話になりました。
今日は、その白菜の仲間で少し珍しい「しろ菜」をご紹介いたします。

名前の由来は、葉柄と呼ばれる葉の下の部分と葉脈が、純白の色をしていることからきています。
形は小松菜、味は白菜に似ていて、苦味や辛味はなく、クセの無いあっさりした味ですので、野菜の苦手な方でも食べやすいと思います。
また霜がおりる冬に収穫されるものは甘みが増すと言われています。
しろ菜は、京都府で作られる「京しろ菜」と大阪府で作られる「大阪しろ菜」があります。収穫時期が異なり「京しろ菜」は10月から3月の間で、「大阪しろ菜」は1年中収穫することができます。

「大阪しろ菜」は、江戸時代から栽培が始まったとされ、明治初期には大阪市中心部の天満橋付近で盛んに栽培されていたことから「天満菜(てんまな)」とも呼ばれていました。冬は白菜の代わりになり、葉物が少なくなる夏に重宝されていたようです。
今でも大阪府内で栽培されており、「なにわ伝統野菜」に認定され、府内の学校給食のおかずに使われるなど昔から守られてきた味を伝えています。
また、地域でとれたものを地域で消費する「地産地消」になりますので、SDGsの取り組みの一つとして環境保護に繋がっていきます。
さて、今日は「大阪しろ菜」の料理をいくつかご紹介いたします。
まずは「大阪しろ菜と油揚げの煮物」です。白だしと醤油でさっと煮ると、しんなりした食感と優しい味にほっとします。

次は「浅漬け」です。昆布と塩でシンプルに漬けると、シャキシャキして甘みを感じます。葉の形がちょうどおにぎりを包むのにぴったりです。

最後は「大阪しろなとさつまいものおつけ」。南大阪の河内で昔よく食べられていた郷土料理だそうです。
白味噌の上品な味と甘いさつまいもと一緒にいただくと、寒い冬で冷えた体を芯から温めてくれます。
他には和え物や炒め物など、白菜や小松菜のように使って料理します。

「京しろ菜」や「大阪しろ菜」を買える店は道の駅や一部のスーパーと限られているので、手にはいりにくいかと思います。京都や大阪の料理屋さんで「しろ菜」のメニューを見つけたら、ぜひ一度味わってみてください。
写真提供:川口屋薫

川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
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