今日のお話は、「蜂蜜」です。
蜂蜜は古代からヨーロッパ、ギリシャ、エジプトなどで薬用や食用として使われ、世界最古の甘味料と言われています。
日本では、平安時代に宮中への献上品にもされていたことが「延喜式」の書物に記されています。また紫式部の源氏物語にも鈴虫の巻で「〜蓮の形をした小香炉には蜂蜜を甘い香りがする荷葉香が焚べられてある〜」と書かれており、香に蜂蜜を練り込んでいたことが伺えます。
江戸時代から養蜂が本格的に始まり、現在も国産蜂蜜は日本各地で作られています。
国産蜂蜜や輸入蜂蜜の専門店へ行くと、桜、みかん、りんご、さくらんぼ、蕎麦、栗など成分調整や添加物が入っていない純粋蜂蜜が豊富に揃っています。好みの蜂蜜を見つけるのも楽しいかと思います。
私のお気に入りは、うわみず桜の蜂蜜です。うわみず桜は小さな白い花が密集していています。
仲良くさせていただいている京都の河原町にあるイタリアンのシェフに教えていただいたのですが、初めて味わったとき、杏仁のような香りがして上品な味わいに虜になってしまいました。
昔住んでいたイタリアでは、蜂蜜を「ミエーレMiele」と言います。
チーズの盛り合わせやピクルスに蜂蜜をかけたり、ソースやお菓子の材料、紅茶やカモミールティーに入れたりします。
カッテージチーズやマスカルポーネチーズ100gに大さじ1の蜂蜜を入れて混ぜ合わせると簡単なデザートになります。
和食の鶏の照り焼きのように、肉料理にも使います。
蜂蜜水でりんごをつけると塩水やレモン水より、茶色に変色しにくくなります。
最後に最近注目を浴びている「ミードMead」をご紹介します。
蜂蜜に水と酵母だけを加えて発酵させた蜂蜜酒です。
2016年頃に米国でクラフトミードの醸造所が増えたことをきっかけに、日本でも数年前から日本酒の酒造などで製造が急拡大しています。極甘口からややドライまで色々なテイストがあり、アルコールは10%前後です。炭酸水などで割って飲むのがおすすめです。春から初夏へと汗ばむ陽気にぴったりですね。
先日大阪で、山形県で採れたさくらんぼの蜂蜜のミードを買いました。蜂蜜の香りと甘さがふわっと感じるすっきりした味わいで、育てているハーブを漬けたり、ラム肉料理に使ったりしながら楽しんでいます。
※蜂蜜は、1歳未満の乳児には与えないようにしてください(厚生労働省HPより)
川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
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