今日の読み物

読み物

お買い物

人気記事

特集

カート内の商品数:
0
お支払金額合計:
0円(税込)

喉のうるおいに蜂蜜大根

旬のもの 2022.12.29

この記事を
シェアする
  • X
  • facebook
  • B!
  • LINE

2022年の冬は前半こそだいぶ温かい陽気が続いていましたが、12月に入ると一気に寒さが増しました。この時期気になる健康の負担となる自然変化は、冷えと乾燥です。そして冬になると広まる様々な感染症の予防には、潤いがとっても大切です。

なぜなら鼻や喉の粘膜の上にある『線毛』は、潤いが十分にあることで活発に働き、ウィルスなどの外敵の侵入を防いでくれるからです。乾燥していると、線毛が十分機能せず、ウィルスや菌の侵入を許してしまい、炎症を起こし、喉の痛みや発熱などを発症します。

もちろんこまめな水分補給は大事ですが、飲んだ水がすぐそのまま潤いにはなりません。そんな時は薬膳の知識で体の潤いを補給しましょう。

喉のうるおいに蜂蜜大根

蜂蜜大根の歴史は古く、民間療法として江戸時代ごろから作られていたようです。薬膳で大根は涼性。余分な熱を冷ましてくれます。同時に呼吸器系の鼻や気管支や肺の粘膜を潤す働きがあります。

加えてはちみつにも、呼吸器系を潤し、咳を鎮める働きがあるとされています。これら2つを組み合わせることで、乾燥による咳や炎症を鎮めるちょっとした“漢方”になるわけです。

大根

【性味】涼性、甘辛
【帰経】肺胃
【薬膳的効能】消食、化痰、寛中、降気

大根には、胃腸の働きを整えてよく動かし、消化を促す作用もあるので、喉の乾燥対策のほか、吐き気や消化不良、痰が多い咳などにもおすすめです。

はちみつ 

【性味】平性、甘味
【帰経】脾胃肺大腸
【効能】和中、止痛、潤肺、止咳、潤腸、通便、潤膚、解毒
【対象】食欲不振、から咳、便秘、疲労、腹痛、乾燥肌

はちみつには、腸の働きを穏やかにし、腹痛を軽減したり、食欲回復させたり、体の中から潤し、乾燥肌や乾燥性の便秘を改善・予防する働きもあるとされています。乾燥にはまず、はちみつとおぼえておくのが良いでしょう。

作り方はとっても簡単です。大根を1cm角に切り、蜂蜜を浸るほどかけて、一晩冷蔵庫で寝かせるだけ。簡単ですよね。切って漬けるだけなので、一人暮らしの方でも時間がなくても作れると思います。

食べ方は、シワシワになった大根はそのままボリボリと食べ、はちみつのシロップはお湯に溶かして飲みましょう。しばらくすると喉がうるおい、違和感が軽減すると思います。妊婦さんにも問題ないですが、はちみつは1歳未満のお子様には与えないでくださいね。

保存可能期間は冷蔵庫で2、3日だと思いますが、早めに食べてください。大根は漬けすぎると苦味も出やすいので、一晩したら抜いておくほうが良いかもしれません。またそのほうが腐りにくいです。飲みにくいと感じる場合は、生レモン少量を加えるとより飲みやすいですよ。後はミントも喉の炎症対策にはおすすめです。少量加えてみてください。

喉の炎症性のトラブルの予防や改善には、大根と蜂蜜など、こもった熱をさましつつ潤いを補う食材が必要ですが、それ以外でも、普段から潤いを補っておくことは大切です。

乾燥が進むと、喉の炎症だけではなく、飲んでも飲んでも癒やされない喉の渇き、コロコロとした固い便、肌の乾燥、手足のほてり、のぼせ、痩せ、イライラなどを引き起こす、体内の潤い不足状態、『陰虚状態』にもなりかねません。

薬膳で潤いを補う食材はその他、山芋、黒豆、きくらげ、アスパラ、モロヘイヤ、ほうれん草、黒ごま・白ごま、イカ、牡蠣、帆立の貝柱、クラゲ、すっぽん、ブリ、豚肉、卵、ヨーグルトなどがあります。特に乾燥するこの時期は、潤い補給食材で、潤いを日々、少しずつ補うように気をつけておくのが健康を維持する助けになります。

この記事を
シェアする
  • X
  • facebook
  • B!
  • LINE

櫻井大典

国際中医専門員・漢方専門家
北海道出身。好きな季節は、雪がふる冬。真っ白な世界、匂いも音も感じない世界が好きです。冬は雪があったほうが好きです。SNSにて日々発信される優しくわかりやすい養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず人気に。著書『まいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ』 (ナツメ社)、『つぶやき養生』(幻冬舎)など。

記事一覧

櫻井大典|ゆるかんぽう