こんにちは。和菓子コーディネーターのせせなおこです。
桜の季節が終わると始まるのが、こどもの日に向けた商品。鯉のぼりや兜を模した和菓子たちが店頭に並び始めます。そして、なんといっても外せないのが柏餅と粽(ちまき)ではないでしょうか。
私が「粽」の存在を知ったのは小学生の時。給食に出ていたのが初めての出会いでした。
学校以外では、こどもの日が近づくと近くの和菓子屋さんや家で食べるのは柏餅で、粽の存在は知りませんでした。
年に一回、給食の時だけ食べられる特別なお菓子、粽。なんだか葉っぱがたくさん巻かれていて、解くまでなかなか時間がかかるおもしろい食べ物、という印象でした。そして何より衝撃だったのが、葉っぱを解いた後の細長い形とあんこの入っていないむぎゅっとした独特の食感のおもち。おもちが大好きな私は毎年楽しみにしていたメニューです。
「おうちでも食べたい」とお母さんにリクエストしてみると、「粽はなかなか売ってないし、中にあんこが入ってないから残念ね〜」とのこと。「あんこが入っていないところがいいんじゃない!まったく、わかってないな〜」なんて思う生意気な小学生でした。
そんな粽の起源は江戸時代、参勤交代によって全国に広まった柏餅よりももっと昔、古代中国に遡ります。楚の政治家・屈原(くつげん)という人物が、ある出来事から国を追われ、入水自殺してしまいます。民衆がお供えとして竹筒にお米を詰めて川に投げたことが粽の始まりとされ、屈原の命日である5月5日に粽を食べる習慣が根付いていきました。日本には平安時代に伝わり、江戸時代には「粽師」という職業も存在していました。
京都では色々な種類があり、羊羹、葛、外郎の粽が存在します。さらに食べ物だけではなく、厄病・災難除けのお守りとして祇園祭の際に用いられます。
桜の季節は終わってしまいましたが、私にとっては待ちに待った柏餅と粽の季節の到来です!お菓子の緑、そして新緑にエネルギーを感じながら元気に過ごしていきましょう。
写真提供:せせなおこ
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