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松島まつしま

旬のもの 2024.05.23

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おはようございます、こんにちは。編集者の藤田華子です。
夏の空気を感じる日が増えてきましたね。

今日は、宮島、天橋立とともに日本三景といわれる名勝・宮城県の「松島」についてお送りします。
みなさん、松島に行かれたことはありますか?
私は中学校の遠足で足を運んだことがあるのですが、行くまでは「松島」という大きな島がドーンとあるものだと思っていました(笑)。そうではなくて、松島は南北約8㎞、東西約10㎞の小さな湾と、その沿岸部を含めたエリアのこと。湾のなかには260もの島が浮かんでいるんです。

古来、文人たちに愛された場所としても有名です。とりわけ松尾芭蕉は松島に熱烈な憧れがあったそうですが、『おくのほそ道』ではなぜか松島に関する句は詠んでいません。有名な「松島や ああ 松島や 松島や」は松尾芭蕉の句ではなく、江戸時代後期の狂歌師・ 田原坊が『松嶋図説』(観光ガイドブックのようなもの)用に作ったフレーズだと言われています。芭蕉があまりの絶景に言葉を失い、思わず「はあ、松島…」と感嘆の声をあげたのではと創作したものです。

ほかにも、正岡子規、夏目漱石、太宰治、宮沢賢治、アインシュタインなど錚々たる著名人が訪れています。アインシュタインは、日本滞在中に最も感動した景色が、日本三景松島の湾内に浮かぶ月だったそうです。月明かりが海面に映り、島々のシルエットが浮かび上がる光景は、まさに絵画のように美しい。ゆったりと月を眺めることを目的に旅をするなんて贅沢、いつか味わってみたいものです。

一方、景色のほかにも長きにわたり人々が松島を訪れた理由があります。
調べてみると、朱塗りの渡月橋を渡った先にある「雄島(おしま)」にその秘密が。雄島には108もの岩窟があったといわれ、南のほうにはお堂や石碑、砂利のなかにはなんと人骨もあります。そう、かつて雄島は死者供養の霊場。「奥州の高野(高野山のこと)」と称され、諸国から僧や巡礼者たちが足を運んだ、修行場でもあったんです。その入り口にあたる渡月橋は、僧たちが陸地の俗世との縁を切ったことから「悪縁を断つ橋」ともいわれていたそうです。

現在、108ほどあった岩窟は50程度に減ってしまいましたが、いまなお、幽玄な空気を味わうことができます。ちなみに雄島は、松島の絶景を撮影する絶好のスポットでもあるんですよ。

いまの季節の松島は、澄んだ空気のなかで緑に輝く松の木々が風にそよぎます。夏のご旅行は、宮城・松島に行かれてみてはいかがでしょうか。

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藤田華子

ライター・編集者
那須出身、東京在住。一年を通して「◯◯日和」を満喫することに幸せを感じますが、とくに服が軽い夏は気分がいいです。ふだんは本と将棋、銭湯と生き物を愛する編集者。ベリーダンサーのときは別の名です。

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