こんにちは。和菓子文化研究家のせせなおこです。
今年も暑い夏がやってきました!毎年暑さが増しているのは気のせい?と思っていましたが、気のせいではなく間違いなく暑い!と言い切れるほどになってきました。みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
今日は、少しでも涼しい気持ちになっていただけるようなお菓子「かん(寒)ざらし」のお話です。
元々かんざらしとは寒さが厳しい季節(寒中)に空気や水に晒すことを指し、白玉粉は寒中に沈殿作業を繰り返し乾燥させることから、別名「寒ざらし粉」とも呼ばれています。
江戸時代、「冷や水売り」という職業がありました。「冷や水売り」は夏の間限定で、白玉入りの冷たいお水を売る人たちのこと。「ひゃっこい、ひゃっこい」という売り文句と共に街を練り歩いていました。冷や水は一杯4文。オプションで砂糖を多めに入れてもらうこともできたそうです。冷や水は浮世絵にも描かれており、その色は白だけでなく、紅や黄色と色鮮やか。できることなら江戸時代にタイムスリップして、冷や水を食べてみたいものです。
長崎県の島原地方には「かんざらし」というおやつがあります。はちみつと砂糖で作ったシロップの中に小さな白玉団子が浮かんでいます。島原は古くから水の都といわれており、湧き水が豊富な地域。私は最近ようやく食べることができたのですが、素朴でとても優しい味。ほっこりとした気持ちになりました。
私は白玉が大好きなので、定期的に自分でも作るのですが、茹でたての白玉を氷水に入れて、キンキンに冷やすと、しっかり引き締まったもちもちの白玉が出来上がります。あんこにのせるのはもちろん、きなこで食べたりアイスにのせたり、白玉こそ夏の風物詩ではないかなと思っています。
今年も暑い夏がまだまだ続きそう。暑さが続くとどうしてもイライラしてしまいがちです。涼やかな和菓子がそばにあるだけで、気持ちも和らぐもの。少しでも皆さんの日々が穏やかだといいなと思います。体も心も涼やかに軽やかに過ごしていきましょう。
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