こんにちは。気象予報士の今井明子です。
秋雨の季節がそろそろ終わり、晴れる日が増えてきました。
この時季の晴れた日は秋晴れと呼ばれますが、同じような意味の秋日和という言葉もあります。玄関から外に出てさわやかに晴れた青空を見上げると、確かに「秋日和」という言葉がしっくりきます。
秋といえば運動会シーズンです。運動会は5月に開催される学校も多いのですが、秋のさわやかな晴天のもとで汗を流すのは格別です。最近では5月に真夏のような陽気の日になることはもはや珍しくもなんともないですし、5月末ともなると早くも梅雨のムシムシとした湿気を感じることもあります。
では秋はというと、台風シーズンなのがネック。しかも残暑は長引く傾向にあり、10月に最高気温30℃以上の真夏日を記録することだって珍しいことではなくなってきています。春開催も秋開催もそれぞれデメリットはあるものの、少なくとも10月の紫外線は5月ほど強くないので、5月よりは野外スポーツに向いているのかもしれません。
さて、秋日和と呼ばれるような日は、ぜひ雲に注目してほしいと思います。モクモクとした入道雲が林立していた夏の空から、うろこ雲が現れだすと「秋が来たなあ…」と実感する人は多いことでしょう。太平洋高気圧に覆われる夏と違い、秋は移動性高気圧と温帯低気圧が交互に西から東へと移動する季節です。
抜けるような青空から筋雲が現れ、うろこ雲や羊雲が現れ、それが空全体に広がって薄雲やおぼろ雲になり、雲が厚くなって雨が降るというのが、低気圧が近づくまでの空模様です。
移動性高気圧や温帯低気圧は春にも日本列島を通過しますが、春よりも秋のほうが空気が澄んでいて、空がより青く、雲の白さとのコントラストが際立ちます。だから、秋は絶好の雲観察シーズンなのです。広い芝生にレジャーシートを敷いて寝転がり、時間を忘れてぼーっと空を眺めてみるという、ある意味贅沢な過ごし方ができるのもこの季節ならではだと思います。
今井明子
サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。
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