こんにちは。和菓子文化研究家のせせなおこです。
いよいよやってきた秋本番。小豆は収穫期を迎え、新あずきが登場し始めます。涼しくなり、温かいお茶と和菓子とともに、ほっと一息。いよいよ和菓子の季節の到来だ!!と、とてもうきうきしています。
最近は暑さが続き、なかなか秋の始まりを感じるのが難しくなってきました。そんな中、私は毎年和菓子屋さんで「桔梗の上生菓子」を見つけると、秋の始まりを感じます。
桔梗は秋の七草の一つで、紫色の星の形をしているかわいらしいお花です。夏の終わり、友達と散歩をしている時にたまたま見つけた和菓子屋さんで出会った桔梗。近くの公園でブランコに座り「今年の夏も楽しかったね〜」と桔梗をガブリ。お抹茶と共に背筋をピシッと伸ばしていただく和菓子もおいしいのですが、こうして食べるとなんだか季節を体に取り込んで、ちょっぴり秋を先取りしている気持ちになります。
和菓子、と聞いて上生菓子をイメージされる方も多いはず。上生菓子とは格の高いお菓子という意味があります。茶道の文化と共に発展し、練り切り、こなし、ういろう、きんとん、上用饅頭、羊羹など様々な素材と製法を用いて、季節を表現します。
桔梗が終わると次は重陽の節句の菊、お月見のうさぎ、そして紅葉を表現したイチョウやもみじと次々に季節が移り変わっていきます。最近では和菓子屋さんのHPで季節の和菓子をみることができるお店も増えてきました。もちろん和菓子の楽しみは食べることだと思うのですが、上生菓子のみるだけでも楽しませてくれる美術品のような美しさに、何度も惚れ直してしまいます。
同じモチーフでもお店によって表現の仕方が異なり、和菓子の奥深さを味わうことができます。さらに職人さんが想いを込めて名付けたお菓子の名前「菓銘(かめい)」も、上生菓子を楽しむポイントの一つ。美しい情景を想像しながら、今年の秋は上生菓子と共に「芸術の秋」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
画像提供:せせなおこ

