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どぶろく

旬のもの 2024.10.06

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こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

日本で私たちに馴染みのあるお酒にもさまざまな種類があるものですが、皆様は「どぶろく」というお酒のことをご存知でしょうか。

一度も飲んだことのない方からしてみると、その名前から受ける印象はどこか「昔」っぽいイメージで、なんとなくちょっと飲みにくそうなお酒なのではないかと思われるのではないでしょうか。

たしかに、その起源はなんと稲作が盛んに行われるようになった弥生時代にまで遡ると言われており、歴史の古さはかなりのもの。
しかし、原材料はいわゆる「清酒」と呼ばれる透明な日本酒と同じく、米と米麹と水だけのシンプルなもの。

「にごり酒」とも似ていますが、違いは原料のもろみを一切漉さずに造られている点で、その見た目は白くにごっているだけでなく、液体に米粒などの個体が混ざり合ったとろりとした口当たりが特徴です。

どぶろくは漢字で「濁酒(だくしゅ)」や「濁醪(だくろう)」と書くことから、その読み方が転じたものと言われています
「濁」という文字からも、「濾過していない」という意味合いが伝わってきますね。

ちなみに「甘酒」は基本的に米と米麹で作られノンアルコールの場合もありますが、「どぶろく」は必ずアルコールを生み出す「酵母」が含まれるため、濃厚なお酒に仕上がるのです。

また、韓国の「マッコリ」とも間違われることがありますが、マッコリは原材料が米だけでなく、ジャガイモ・サツマイモ・トウモロコシなどを使うこともあるので、まったく別の味わいだと言えるでしょう。

どぶろくのアルコール度数は、6度から20度くらいまでさまざまですが、比較的度数の高いものが多い印象です。
しかしその味わいは名前から受けるイメージとは異なり、お米が持つ甘みや旨みが強く感じられるため、女性でも飲みやすくて栄養価も高いのがうれしいポイント。
かつては一般家庭でも作られて、農作業の合間の栄養補給にも重宝されたと言われるほどの飲み物だったので、いかに私たちの生活の中で身近な存在として受け継がれてきたのかが伺い知れます。

どぶろくに含まれる酒粕の中には、「レジスタントプロテイン」というたんぱく質が含まれ、これはコレステロールの低下を促したり、肥満の抑制にも効果が高いと言われたりしています。

その他にも、豊富なアミノ酸による美肌効果や、生きた酵素による腸内環境を整えてくれるなどの効能が期待されています。
科学的にも健康効果の高いお酒となると、飲みすぎには注意が必要ですが、少しずつ口にすることでより健康的な暮らしに近づくことができるかもしれません。

日本では古くから収穫された米とともに、その米から造られたお酒である「どぶろく」を神前に供えて、豊作の祈願や感謝を捧げてきました。
神道の世界における神事とも密接な繋がりが伺える、神聖なお酒だったことも分かります。
どぶろくは神様も喜んでくださるお酒だと思うと、私たちも口にしていたいものですよね。

今はどぶろくにもいろいろな種類の商品がありますから、ぜひご自身のお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか?
そして、美味しいものが見つかった暁には、その歴史や健康効果も含めて、身近な人にも「どぶろく、飲んだことある?」とおすすめしてみてくださいね。

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紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

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