おはようございます、こんにちは。編集者の藤田華子です。
今年も紅葉の季節がやってきました。今日は、そのなかでも紅葉の序盤に使われる「薄紅葉(うすもみじ)」という言葉についてお話ししようと思います。
「薄紅葉」、なかなか耳馴染みがない言葉かもしれません。皆さんはどんな光景を思い浮かべるでしょう。
薄い紅葉だから、光を通すような若葉のころ?それとも、少し緑を残した紅葉が、ほんのりと淡い紅色に染まっているころ?
薄紅葉は後者のイメージで、紅葉の走り、つまり秋が本格的に到来する前の微妙な色合いの魅力を表します。ちなみに、枯れた木々のなかで紅葉している様子は「冬紅葉(ふゆもみじ)」。一口に「紅葉」といっても、その繊細な移ろいを愛でた先人の感性に拍手を送りたくなります。
薄紅葉は、紅葉が色づく過程で見られる一瞬の美しさです。葉が全体に赤く染まる前に、ほんのりとした紅色が広がり始める時期に現れます。まるで秋の始まりを告げるかのように、自然がその変化を静かに、しかし確実に示しているのです。鮮やかさや華やかさこそありませんが、その繊細さが心に残ります。
実は「薄紅葉」には日本の古い詩や歌にもよく登場するんです。
※意味
もしかしてこの豆腐は、紅葉が上に落ちてきて、薄く色づかせているのだろうか。
紅葉の葉の型をつけた「紅葉豆腐」という食べ物があるそうで(風流ですね〜!)、芭蕉はそれを見て詠んだのではないかと言われています。季節の移り変わりを愛でる日本人の心がよく表れていますね。
さて、今年の紅葉はいかがでしょうか。紅葉の色づきや早さは、日光、気温などの気象条件と、葉の色素であるクロロフィルやアントシアニンなどが影響しています。最低気温が8℃を下回る日が続くと葉の中でアントシアニンが増え紅葉が進むそうです。
ここ数年は、私の地元の那須では、暑い日が続き、葉が枯れてチリチリになってしまったので、綺麗な紅葉が見られませんでした。今年は薄紅色が見られるといいなと思います。
紅葉の色が鮮やかになる前の、ちょっぴり控えめなその美しさは、私たちに静かな感動をもたらしてくれることでしょう。ぜひ、この季節の移り変わりを楽しみながら、薄紅葉の美しい景色を心に刻んでみてください。それでは、皆さまの秋が素敵なものでありますように。寒さが本格化するまえに、心地よい秋のひとときをお過ごしください。
藤田華子
ライター・編集者
那須出身、東京在住。一年を通して「◯◯日和」を満喫することに幸せを感じますが、とくに服が軽い夏は気分がいいです。ふだんは本と将棋、銭湯と生き物を愛する編集者。ベリーダンサーのときは別の名です。
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