春になると、空気が乾燥して、肌や喉の調子がイマイチ…なんてこと、ありませんか?中医学では、この時期の乾燥対策は「血を補って、春の流れにうまく乗ること」と考えます。
春は「風」の季節。風が吹くと、空気中の水分が奪われて、肌や粘膜がカラカラに。特に春先は、蓄えていた「血」(けつ・血液とほぼ同義)が減っているから、髪がぱさついたり、肌がかゆくなったりしやすいんです。これを防ぐには、ちゃんと潤いの元、血の元を補ってあげることが大切です。

そんな春の乾燥対策にぴったりなのが、「補血(ほけつ)」という考え方。血は、細胞に栄養と潤いを与えてしっとりさせ、体を落ち着ける力のこと。これが足りないと、肌・髪・目の乾燥、さらには不安やソワソワまで引き起こすことも。なので、春は血を増やしてくれる食材を意識して取り入れましょう。

おすすめは、血を補う「黒い食材や赤い食材」。黒豆、黒キクラゲ、しいたけ、牡蠣、黒ごまや、レバー、マグロ、人参など。また血の元になる「補陰(ほいん)」も大切。補陰には「白い食材」がいいので、白ごま、イカ、豆腐、白きくらげなどもぜひ一緒に取りましょう。特に白きくらげは「植物の燕の巣」とも呼ばれるくらい、美肌にもとても効果的です。スープやお粥に入れると、体がじんわり潤っていくのを感じられます。

さらに、春は「肝」の季節でもあります。肝は血を蓄え、気の流れをコントロールしています。そして肝自体もその蓄えた血から栄養を貰っています。血が不足してしまうと、肝の機能が低下し、気の巡りが悪くなって、ストレスがたまりやすくなります。そんな時は、血を補う黒や赤の食材に加えて、肝を助けてくれる緑の食材を毎日の食卓に取り入れましょう。ほうれん草、セロリ、クレソンなどを食べると、気の巡りがスムーズになって、心も体もスッキリしますよ。

飲み物なら、菊花茶やクコの実入りのお茶がおすすめ。菊花は目の疲れや乾燥を和らげてくれるし、クコの実は血を養い、体を内側から潤してくれます。パソコンやスマホで目が疲れやすい人にもぴったりです。
もちろん、食事だけでなく生活習慣も大事。朝起きたらまず白湯を一口飲んで、内側からじんわり潤い補給。それだけで、喉のイガイガが軽くなりますよ。また、夜更かしはNG。春は肝が活発になる時期だから、夜更かしすると気が滞ったり、血を余計に消耗したりするので、肌荒れやイライラの原因に。早めに寝て、しっかり休むことが大切です。

あとは、適度な運動もとても大切です。軽いストレッチや深呼吸をしながらのウォーキングは、気血の巡りを良くして、体の隅々まで潤いを届けてくれます。ただし、風が強い日は肌の水分が奪われやすいので、マスクやスカーフでしっかりガードを!

春の乾燥対策は、内側と外側、どちらからもケアすることがポイント。食事で潤いを運ぶ血をチャージし、生活習慣を整えれば、春特有の乾燥トラブルも怖くありません。新しい季節の始まり、心も体も軽やかに、春のエネルギーを楽しんでいきましょう!

櫻井大典
国際中医専門員・漢方専門家
北海道出身。好きな季節は、雪がふる冬。真っ白な世界、匂いも音も感じない世界が好きです。冬は雪があったほうが好きです。SNSにて日々発信される優しくわかりやすい養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず人気に。著書『まいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ』 (ナツメ社)、『つぶやき養生』(幻冬舎)など。
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