こんにちは、昆虫写真家の村松です。
暖かくなるとひらひらと飛ぶ姿が美しいチョウの仲間たち。
そんなチョウの中から、春の女神とも呼ばれるギフチョウを紹介します。
明るい黄色に黒い縞模様が特徴的です。
虎を彷彿とさせるような力強い模様を持っていますが、春にだけ姿を見せるチョウで日本の固有種でもあります。
このチョウは、昆虫学者の名和靖(なわやすし)さんが岐阜県で発見したのがきっかけで知られていきます。地元でも話題になり、誰からともなく「岐阜蝶(ギフチョウ)」と呼ばれるようになったものが気に入られ、そのまま命名されました。
名前はギフチョウですが、東北や中国地方でも見られるチョウです。
冬をサナギで越したギフチョウは、暖かくなると成虫になって飛び回るようになり、カタクリの花やスミレでミツを吸っている姿が見られます。
成虫は艶やかな姿ですが、サナギの姿は黒っぽくゴツゴツとした姿をしていて変化の大きさに驚かされます。
動けない冬の間に見つからないような姿になったんでしょうね。
ギフチョウはキアゲハやカラスアゲハと同じアゲハチョウの仲間です。
あまり身近な種類ではなく、自然性の高い森林や管理の行き届いた雑木林などの里山で見ることができます。
そのため、里山の荒廃や開発の影響で全国的に数を減らしている昆虫でもあります。
地域単位では絶滅した県もあるようです。
各地で保全活動も進められており、私もギフチョウを保護して育てていらっしゃる方のもとで、たくさんのギフチョウが羽化するところを見せていただいたことがあります。
日が差して温度が上がってくると、石のようなサナギの一部が割れて、ふわふわの成虫が出てくる姿は感動的でした。
見られる場所が限られていることや、4~5月の短い期間しか見ることのできないチョウです。
昆虫好きだと、一度は見てみたいと憧れている人も多いのではないでしょうか。
身近な公園などでは難しいですが、意外と近くに観察場所があるかもしれません。
私も今年は探しに行ってみたいと思っています。
観察に行く場合は、ギフチョウだけでなく植物や環境が保護されている事が多いので、自然を楽しみながら探してみてくださいね。
写真:村松佳優
※日本の昆虫を撮影し、その魅力を紹介するWebメディア「ムシミル」を運営しています。ブックレットの制作もしているのでムシミルで検索してみてください。

村松佳優
昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。
