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春の緊張対策

旬のもの 2025.04.16

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春になると、なぜかソワソワしたり、不安になったり、焦ったり。
特に理由がないのに、心が落ち着かない。
そんなふうに感じる方、けっこう多いのではないでしょうか。

実はこれ、中医学では「春のせい」と考えます。
春は「肝(かん)」の季節。
肝は、気の流れをコントロールする臓であり、情緒とも深く関係しています。
春になって、肝の働きが活発になりすぎると、気が上に昇り、イライラや不安感、焦燥感としてあらわれます。

つまり、春の緊張感は、自然な流れとも言えるわけです。
でも、それに振り回されるのはちょっとツラいですよね。
今日は、そんな「春の緊張」にやさしく寄り添う、中医学的な養生法をご紹介します。

まずは、「のびやかさ」を大切に

肝の気は「伸びる」のが好き。
抑えつけられるのが苦手です。

だから、春はできるだけ、自分をゆったりとさせてあげることが大切。
・スケジュールを詰めすぎない
・完璧を求めない
・深呼吸をする
・「まあいっか」と思ってみる

小さなことでもいいんです。
心と体に「ゆとり」を持たせてあげることで、肝の気はスムーズに巡ってくれます。

食べ物でもサポートしていきましょう

春におすすめの食材は、「肝の気」をやさしく整えてくれるもの。

たとえば、
•セロリ
•春菊
•クレソン
•菜の花
•しそ
•柑橘系(グレープフルーツ、ゆずなど)

これらには、香りやほろ苦さがあって、気の流れをよくしてくれます。
とくに柑橘系は、気の巡りを助けて、ふわっと心を軽くしてくれる存在。
春の食卓には、ぜひ取り入れてみてください。

次に、「気」を動かす習慣をつくる

肝の気を滞らせないために、日々の生活のなかで「動き」を意識してみましょう。

・朝、軽くストレッチをする
・日差しを浴びながら散歩する
・ラジオ体操やゆったりしたヨガなどもおすすめ

体をやさしく動かすことは、気の巡りをよくし、心の緊張をほぐしてくれます。
がんばる必要はありません。
「ちょっとだけ」が、ちょうどいい。特に肝の気が流れる体の側面を伸ばすよう意識してください。

香りの力も借りてみましょう。
中医学では「香り」は「気を動かす」とされていて、特に柑橘系やミント系はおすすめですが、自分が一番心地よく感じる香りでいいですよ。

・アロマオイルをディフューザーで焚く
・お風呂に柑橘の皮を浮かべる
・ハンカチに好きな香りをしみこませて持ち歩く

香りを通じて、自律神経のバランスも整っていきます。
気持ちがスーッと楽になる瞬間を、ぜひ体験してみてください。

最後に、いちばん大切なこと
それは、「無理をしない」こと

春は、自然界のすべてが動き出す季節です。
でも、私たち人間も、ゆっくりと目覚めていく途中。
だから、頑張りすぎなくて大丈夫。

心がざわざわするときは、
「春だから、仕方ないな」
と自分に言ってあげてください。

季節と仲良く暮らすこと。
それが、中医学の基本であり、いちばんの養生法です。

みなさんが、のびやかで、穏やかな春を過ごせますように。

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櫻井大典

国際中医専門員・漢方専門家
北海道出身。好きな季節は、雪がふる冬。真っ白な世界、匂いも音も感じない世界が好きです。冬は雪があったほうが好きです。SNSにて日々発信される優しくわかりやすい養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず人気に。著書『まいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ』 (ナツメ社)、『つぶやき養生』(幻冬舎)など。

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