今日のお話は「サザエ」です。
日本海、太平洋、瀬戸内海に面する岩礁などに生息し、わかめなどの海藻を食べて成長します。
旬は主に春から初夏にかけてです。夏頃から始まる産卵期前のサザエは栄養を溜め込んでおり味が良いとされています。また夏から漁が行われる地域もありますので、場所によっては旬の味をより長く楽しめるかもしれません。
サザエの名前の由来は、「ササ」が小さい、「エ」が家を表していることから。漢字は「栄螺」で、「螺」はらせん状の貝を意味します。
この小さな家(殻)の形は、育った環境が影響します。荒波がある場所では、トゲトゲした角(つの)を形成し、岩場に引っ掛かるようにして身を守ります。穏やかな波の場所では、波に流されることが少ないため滑らかな形になり、「角なしサザエ」とも呼ばれています。
サザエ料理には壷焼き、刺身、和え物などがあります。サザエ漁の盛んな地域には、郷土料理のサザエ飯があります。磯の香りとともにサザエの味を楽しんでいただきたいと思います。
壷焼きは、焼いた香ばしさに凝縮された旨みが口の中で広がります。ここでひとつ、お店で教えてもらった焼き方をご紹介します。最初は、サザエの蓋を下にして少し焼きます。蒸し焼きにした状態になるので、身がやわらかく仕上がります。途中で、上下を返して醤油と酒を垂らして焼きます。バターを足しても合いますし、刻んだにんにくと鷹の爪、白ワイン、オリーブオイルを入れるとアヒージョ風になります。
鮮度が落ちやすいので、できるだけ買った日に調理してください。10分ほど茹でるだけでできる茹でサザエは、約1ヶ月冷凍保存もできます。私は解凍して炊き込みご飯やパスタの具に使います。
茹でる際には、鍋にサザエの蓋を下にして水を入れます。水量の目安は、サザエの先端が少し出るくらいまでです。水量に対して2%の塩を入れてから火をつけます。最初は中火で、沸騰し始めたら弱火強にして茹でます(茹で時間は火をつけてから10分ほどです)。
粗熱が取れたらサザエの身を取り出します。片手でサザエを抑え、ナイフで蓋を引っ掛けて押し上げます。
次に、指で蓋をつまんで(蓋が外れた場合はフォークで身をさして)、身を左回りにゆっくりと回せばスルッと身が出てきます。
蓋を外してお好みの大きさに切れば完成です。
すぐに召し上がる時は、殻をうつわにして切り身を盛り付けると綺麗です。ポン酢や醤油でいただきます。
今日のレシピは茹でサザエを使ったイタリアン風サザエの炊き込みご飯です。よかったら作ってみてください。
イタリアン風サザエの炊き込みご飯
材料
•茹でたサザエ 約60g(2個分)
•サザエの茹で汁
•米 2合
A
•みじん切りにんにく 2g(約1/2片)
•みじん切り玉ねぎ 5g
•オリーブオイル 大さじ1
•醤油 大さじ1
•白ワイン 大さじ1
•粉末だしの素 2g
•イタリアンパセリ お好みの量
作り方
①研いだお米に茹でたサザエを粗めに刻んだもの、茹で汁、Aの調味料を加えて炊きます。
②炊き上がったらお皿に盛り付けてみじん切りしたイタリアンパセリを散らして、オリーブオイルを少しかけたら完成です。
サザエの下処理
•殻を優しくタワシでこすりながら水洗いして汚れを落とした後、水を入れてボールに入れると細かい汚れも落とせます。
ポイント
•サザエの茹で汁はザルにキッチンペーパーを敷いて漉(こ)してください。
•お好みで粉山椒や七味唐辛子をかけても良いです(今回は茹でた実山椒を刻んだものを使いました)。
•炊き込みご飯でリゾット風にもできます。鍋に炊き込みご飯と、茹で汁:水を1:1の割合にしたものを数回に分けて入れます。中火で混ぜながら加熱してください。
写真提供:川口屋薫

川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
