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豚の生姜焼き

旬のもの 2025.08.26

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こんにちは、料理人の庄本彩美です。今日は、夏バテにぴったりな「豚の生姜焼き」のお話です。

8月も後半になると、猛暑続きの日々に、体はじわじわと疲労を溜め込んで、さっぱりしたものばかり食べてしまいがち。そうなるとなかなか力も出ない。「あ、そろそろスタミナ不足かも」と感じる頃に、私が無性に食べたくなるのが「豚の生姜焼き」だ。

知っての通り、夏バテには豚肉がぴったり。豚肉のビタミンB1は、疲労回復やスタミナ維持に効果を発揮してくれる。

しかし、ズボラな私にとって、生姜焼きにはひとつだけ大きな壁がある。生姜をすり下ろすのがどうにも面倒くさいのだ。ほんの少量である事は分かっているのだが…。おろし器に残った生姜を綺麗に取り切るのも洗うのも億劫だ。さらに、冷蔵庫の奥で化石化しそうな生姜を見つけてしまった時の「やってしまった」感といったら…。
そんな私が豚の生姜焼きを作れるようになったのは、ある日の「急がば回れ」なひらめきのおかげだった。

ある年の夏、長引く暑さに「そろそろ豚の生姜焼きでも食べたいな…」と思い、冷蔵庫を開けた。「生姜が無いな…、代わりになるものってあったっけ?」と探していると、ジンジャーシロップを見つけた。7月初めに、新生姜で仕込んでおいたものだ。
ジュース用にと飲んでいたが、よく考えるとシロップの材料は、生姜と砂糖。これを味付けに使えば、生姜と甘みの両方を補えるじゃないか!

薄切りにした玉ねぎを軽く炒め、片栗粉をまぶした豚肉に火が通ったら、ジンジャーシロップと醤油と酒を絡めるだけ。すでにシロップにとろみがあるので、あっという間に具材全体にタレが絡まる。焦げ付いた醤油の香ばしい香りが食欲を刺激してくる。

タレがキラキラ絡んだ豚肉と、生姜の香り。食べてみると、これは間違いなく豚の生姜焼きだ。口いっぱいに広がる甘辛いコクに、ごはんが進む。
生姜が加わるだけで、豚肉の脂が気にならなくなり、さっぱりとした味わいに。それなのに、豚肉の食べ応えに満足感がたっぷり。まさに、豚肉の旨みと生姜のダブルパワー!
「夏バテで食欲なかったなんて言わせない!」と、生姜焼きに急かされるように、ペロリと平らげてしまった。

豚の生姜焼きが簡単に作れるのが嬉しくて、ここ数年は、夏の始まりのまだ元気な頃に、新生姜の保存食の仕込みをして、残暑に備えるのが恒例となっている。
スライスした生姜で先にジンジャーシロップを作り、残った生姜を佃煮にしている。生姜ひとつから甘いシロップと辛い佃煮ができるので、お得感も相まって続けることができている。

このズボラな発想から生まれたライフハックのおかげで、私はこの夏を無事に乗り切り、疲れた体と心を美味しく満たすことができるだろう。
残暑を乗り切るべく、スタミナチャージに、豚の生姜焼きはいかがだろうか?

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庄本彩美

料理家・「円卓」主宰
山口県出身、京都府在住。好きな季節は初夏。自分が生まれた季節なので。看護師の経験を経て、料理への関心を深める。京都で「料理から季節を感じて暮らす」をコンセプトに、お弁当作成やケータリング、味噌作りなど手しごとの会を行う。野菜の力を引き出すような料理を心がけています。

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