今日のお話は「シャインマスカット」です。
シャインマスカットは、農林水産省果樹試験場安芸津支場(現在の農研機構)が30年かけて育成し、2006年に品種登録されました。
色によって甘さが異なり、艶々と輝くエメラルドグリーン色のものは、爽やかさを感じる甘さがあり、やや黄緑色のものは甘さが強いとされています。
種なしで皮ごと食べられる手軽さ、香りと甘みが強く、パリッとした皮とサクッとした食感は多くの人達に好まれ、人気が急上昇、全国各地で栽培が広がりました。
シャインマスカットは、「ヨーロッパぶどう」のマスカットの風味と、「アメリカぶどう」が持つ病害に耐性という、それぞれに優れた味わいや特性を持ち合わせた品種を組み合わせ改良した、日本生まれのぶどうです。
シャインマスカットの祖先品種に「スチューベン」があります。ニューヨーク生まれの小粒のぶどうで、皮は厚く種があり少々食べにくいのですが、濃厚な甘さと余韻の残る香りが素晴らしいぶどうです。青森産のスチューベンが時々お店に並んでいますので、見かけたらぜひ味わってみてください。スチューベンの血を引いたシャインマスカットとは、全く異なる味わいで面白いです。
夏から初秋にかけて収穫最盛期を迎えるぶどうですので、今年のシャインマスカットを楽しまれた方々もいらっしゃると思います。
岡山県など11月から12月にかけて収穫する産地もあり、まだまだ楽しむことができます。
また研究機関では、東日本大震災で被災した産地の復興取り組みとして、収穫期間延長、長期貯蔵技術の向上への取り組みが進んでいます。研究の成果は被災地をはじめ全国各地の産地へと活かされます。冬のシャインマスカットが定着するかもしれません。
12月頃から出回る苺とシャインマスカットは似ているところがあるような気がします。寒い時期に出回りますが旬は冬でなく、鮮やかな色で宝石のような小さな形、まるごと食べられる、そして甘くて人気のある果物です。
シャインマスカットは、お歳暮、クリスマス、お年賀などの贈答品やお祝いの日にも合うと思います。
最後は新しいシャインマスカットの紹介です。
「富士の輝き(ブラックシャインマスカット)」や「マスカットノワール」の黒シャインマスカット、長野県生まれ「クイーンルージュ」や山梨県生まれ「サンシャインレッド」の赤シャインマスカットなどが出てきています。
黒や赤ぶどうは、皮の色付きは気温、日照、着果量など様々な要因に左右されます。そのため美しい色に仕上げるためには着色管理が必要だそうです。この着色管理を省くことができるシャインマスカットのような緑ぶどうに対し、より難しい栽培になるそうです。
来年はシャインマスカットが生誕20周年を迎えます。生産者さん達の高度な技術によって、これからもシャインマスカットの未来が輝いていきますように。

川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
