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サラサラ血づくり

旬のもの 2025.12.01

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瘀血(おけつ)という“結果”から考える養生法

「最近、なんだか体が重い」「肩こりが頑固」「月経がしんどい」「手足が冷える」。
こうした不調の裏側に、実は共通のキーワードがあります。

それが “瘀血(おけつ)”です。

中医学では昔から、「瘀血は万病の元」と言われてきました。瘀血があると、想像以上に体がうまく回らなくなるのです。

でも、今日はあえて一つ強調させていただきます。
瘀血は“原因”ではなく、“結果”。
瘀血そのものを悪者にするのではなく、「なぜ瘀血ができてしまったのか」を見ていくことが、サラサラ血づくりの第一歩になります。

そもそも、瘀血とは?

瘀血とは、「血の巡りが悪くなり、停滞した状態」のこと。

・古い血がとどまっている
・流れが滞って渋っている
・必要なところへ血が届かない

こうした状態を、ひとまとめに“瘀血”と言います。

西洋医学でいうと、血液の粘度が高い、末梢循環が悪い、毛細血管の血流が弱い――そんなイメージに近いものがあります。ただし、中医学ではもっと広く、「流れの質が悪い」ものを全部含むと考えます。

瘀血は“結果”である

ここがとても大事なポイントです。

瘀血は、ある日突然ポンッと現れるものではありません。必ず、背景となる原因が存在します。

例えば──

● 気滞(ストレス・感情の停滞)
気が巡らないと、血も巡らない。
「イライラ」「張る痛み」「ため息」が多いとき、気滞が背景になり、瘀血につながります。

● 寒冷(冷え)
寒さは血の大敵。
冷える → 血管が収縮 → 巡りが悪くなる → 瘀血。
月経痛が冷えで悪化するのもこのパターン。

● 血虚(血の不足)
血が足りない → 体は生命維持に優先順位の高いところに回す → 末端や子宮の血流が滞る → 瘀血。
貧血気味、顔色が悪い人は注意。

● 気虚(エネルギー不足)
ポンプが弱れば水も流れません。同じように、気が弱いと血を押し出す力も不足し、瘀血の原因に。

● 痰湿(余分な水分)
湿気や余分な水分が血管まわりに溜まると、血の流れが濁り、重くなり、瘀血へ。

つまり、瘀血は「最後に起きた現象」であって、その前に“何か”があるんです。ここを間違えると、いくらサラサラ血にしようとしても、根本の改善にはつながりません。

瘀血が招くさまざまな不調

瘀血は本当にさまざまな悪影響をもたらします。
代表的なものだけでも──
•頭痛・肩こり
•冷え性
•生理痛・塊のある出血
•くすみ
•不眠
•慢性疲労
•耳鳴り・しびれ
•アザができやすい

「これ全部?」と思うかもしれませんが、血の巡りが悪いと、体の“末端”や“弱い部分”に影響が出るのです。まさに、“瘀血は万病の元”と古人が言い切った理由です。

改善策① 食療:巡りを良くする食べ方

● 黒い食材(補血・巡り)
黒ごま、黒豆、黒きくらげ、黒米
→ 血を養い、流れを良くする

● 香りのある食材(気滞を流す)
みかんの皮(陳皮)、春菊、しそ、パクチー
→ 気の巡りが良くなると、血も動く

● 温める食材(寒による瘀血を改善)
生姜、シナモン、にんにく、ねぎ
→ 冷えがあるタイプに

● 血行改善の王道
玉ねぎ、納豆、さんま・イワシ・鮭、酢
→ 西洋医学的にも血管に良い、Wで働く食材

● 逆に避けたいもの
・冷たい飲み物
・砂糖・甘いもの
・揚げ物
・アルコールの飲みすぎ

いずれも“ドロッ”とさせたり、血管を固くさせたりする要因になります。

改善策② ツボ:毎日3分で血の巡りが変わる

● 三陰交(さんいんこう)
足の内くるぶしの上。婦人科系・血行に抜群。

● 血海(けっかい)
膝の内側。名前の通り“血の海”。瘀血改善の筆頭。

● 太衝(たいしょう)
足の甲の合流点。気滞をとる。イライラ・張り・月経前症状に。

● 合谷(ごうこく)
手の甲。全身の巡り改善に。

温灸・簡易カイロも相性が良いです。

改善策③ 生活養生:巡る体をつくる

● 軽い有酸素運動
ウォーキング、サイクリング、軽めのジョギング
→ 血の流れる道を“実際に動かす”のが効果絶大。

● 長時間同じ姿勢を避ける
瘀血は“停滞”が大好きです。
1時間に一度は立つ。肩を回す。それだけでも変わります。

● ぬるめの入浴
シャワーだけの生活は、末端循環が悪くなる典型。
38〜40℃の湯船でゆっくり。

● 寝不足は瘀血の大敵
睡眠中に血が修復されます。
寝不足 → 血の質そのものが悪化 → さらに瘀血へ。

● ストレスケア
気滞 → 血滞。
深呼吸、自然に触れる、散歩、香りの力。
シンプルですが、本当に効きます。

最後に:サラサラ血は「生き方」に宿る

瘀血は“結果”です。その背景には、食、睡眠、ストレス、体質、生活リズム――たくさんの積み重ねがあります。逆に言えば、少しずつ生活を整えるだけで、血は必ず変わる。体はそんなふうにできています。毎日ちょっとずつ、巡りを良くする習慣を。気が巡れば血が巡り、血が巡れば、体も心も軽くなる。「サラサラ血づくり」は、一生ものの養生です。

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櫻井大典

国際中医専門員・漢方専門家
北海道出身。好きな季節は、雪がふる冬。真っ白な世界、匂いも音も感じない世界が好きです。冬は雪があったほうが好きです。SNSにて日々発信される優しくわかりやすい養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず人気に。著書『まいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ』 (ナツメ社)、『つぶやき養生』(幻冬舎)など。

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