こんにちは、昆虫写真家の村松です。
暖かい時期に活発に活動していた昆虫は冬の間どのように過ごしているのでしょう?
今回は、アゲハチョウのサナギを紹介します。
成虫は黄色い羽に黒色の模様があります。幼虫は柑橘系の植物の葉っぱを食べるので、ミカンやサンショウの木で見られる身近なチョウの一種です。
散歩中に見かけることがありますし、学校で飼育観察をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
昆虫は種類によって、一年の中で発生する回数が違います。カブトムシなどは年に一回だけ発生しますが、アゲハチョウは年に何回も発生するので、春から秋まで長い期間成虫が見られます。
そんなアゲハチョウも冬の間は見かけないですね。
どこで何をしているのでしょう?
冬を成虫で過ごすチョウもいるのですが、アゲハチョウは成虫の姿で冬を越すことはできません。
寒い時期はサナギの状態で動かずにじっと暖かくなるのを待っているんです。
昆虫の世界でサナギになることを蛹化(ようか)と呼びます。
写真のサナギは食草で蛹化したのですが、多くの場合は食草から離れた場所へと移動します。
この状態になると、体を揺らす程度のことしかできず、天敵に見つかると成す術がないのでサナギになる場所はとても重要です。
ベランダにはレモンの鉢を置いているのですが、毎年何匹もの幼虫が大きく育ちます。
でも、気がつくと木から降りて壁にくっついています。
今年は窓の端にくっついているのを見つけました。しかも、二匹が並んでサナギになっています。
土台にされた方はどんな気持ちなんでしょうね。
ところで、色の違いに気づいたでしょうか?
サナギになる場所の周りの環境によって、緑色や茶色のものが見つかります。
長い期間動けないので、少しでも見つかりにくくするための工夫なんですね。
このままじっと動かずに冬を過ごし、暖かくなるのを待っています。
気温が上がって、活動できるタイミングをみはからって、4月くらいから羽化が始まります。
アゲハチョウのサナギをはじめ、他の昆虫たちも、冬の寒さに耐えながら春が来るのを待っています。
四季がある日本では、昆虫たちの冬の過ごし方も千差万別。
そんな昆虫たちとの出合いも興味深いものです。
写真:村松佳優
※ 日本の昆虫を撮影し、その魅力を紹介するWebメディア「ムシミル」を運営しています。ブックレットの制作もしているのでムシミルで検索してみてください。

村松佳優
昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。
