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木霊こだま

旬のもの 2026.09.09

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こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

「神域」と呼ばれるような深い山林や、自然豊かな神社の境内などを歩いておりますと、不思議な存在感を放つ樹木に出合うことが少なくありません。
桁違いの大きさ、特徴的な形。想像もできないほど長い間、同じ場所に立っていたであろうどっしりとしたその姿には、はかり知れない神秘を感じます。
見上げてみると、思わずため息がこぼれるくらい、言葉にならない感情が胸いっぱいに広がるのです。

「木霊(こだま)」とは、樹木に宿るとされる精霊のこと。同じ読み方で、木魂、木霊、谺、古多万などと書かれることもあるようです。
また、山や谷で大きな声を出すと、その音が反響して少し遅れて聞こえてくる山彦(やまびこ)という現象があります。これは、山の樹木に宿るこの精霊の仕業であると言われ、「木霊」とも呼ばれていますね。

我が国には「八百万(やおよろず)の神」という言葉があるように、日本では古来、あらゆるもの(特に自然の姿の中)に神が宿ると信じられてきました。
樹木に対しても同じく、そこには精霊が宿っているとされ、むやみに傷をつけたり、いたずらに切り倒したりしてはならないと考えられてきたのです。
私たちにとって木は、住まいや暮らしの道具として恩恵を授けてくれるだけの資源ではなく、この地球を共に生きる魂を持つ、尊い存在として敬ってきたということなのでしょう。

神社の境内などでは、立派な巨木に対して、注連縄(しめなわ)を巻いている光景も見られます。そこに宿るのは神霊であると考えられ、その畏敬の念も込めて「御神木(ごしんぼく)」と呼ばれます。
それは、木が神様の「依代(よりしろ)」になっていると考えられているから。
その樹木が長い年月を経て、今自分の前に「在り続けている」ということに、私たちは何とも言い難い「畏敬」と「親しみ」のようなものを感じるのかもしれません。

皆さんも、どこかで心惹かれる樹木に出合ったら、そこに宿る「木霊」を感じてみませんか?
心の中で対話してみたり、ただ静かに触れてみたり……。
私たちの何倍もの年月を生き続けてきた、その樹木の木霊が伝えてくれていることは何なのか、そっと想いを馳せてみてください。

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紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

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