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二十四節気の俳句募集|春編 優秀句 大発表

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たくさんのご応募ありがとうございました。

2024年6月1日からスタートした、「俳句の日めくりカレンダー」の俳句の大募集。
今回の<春編>の応募総数は、計2286句でした。皆さま、たくさんのご応募ありがとうございました。

結果発表の前に、審査いただいた神野先生の総評をご紹介します。


総評

春は再生とはじまりの季節です。
連続する時間の上に新しく訪れた季節を、
それぞれに眩しく受け止めた俳句が多く寄せられました。
言葉に満ちてくるひかりが、そのまま命の力のようで、
輝きの強い春を宿した句を、特に選びました。

一年間を通して、私たちの暮らしの身近なそこここに、
二十四節気を見つけ直すことができました。
難しい課題にともに取り組んでくださったこと、
あらためて感謝申し上げます。

「優秀句」発表

それでは優秀句の<特選><入選><佳作>を、それぞれ発表いたします。


立春

立春のホイップ眼鏡に不時着す  北野小町(東京都)
揺らぐキャンドル立春のアルペジオ  西瓜頭(高知県)
ビオフェルミン噛めば立春の心地  中村すじこ(北海道)
春立てり空飛べさうな箒買ふ  くしだ ふみお久信田 史夫(茨城県)
カステラの香よ立春の天満宮  原田 貴章(岐阜県)
立春の海や分厚き風走る  樫の木(大分県)
交差点立春 ゆめで待ち合わす  おおにしなお(東京都)
立春や能登復興の予算案  HNKAGA(はんどるねーむかが)(石川県)
糞る馬の湯気や春立つ都井岬  のんぬもんぬめぐ(千葉県)
神官ルジカ立春の魚を突く  七瀬ゆきこ(三重県)

雨水

パラパラ漫画描くや雨水の喫茶店  藤 雪陽(長野県)
音楽のはじめ打楽器雨水の日  沼野大統領(神奈川県)
オルガンの低音太りゆく雨水  津々うらら(茨城県)
失恋の髪へ雨水の鋏入る  三浦海栗(東京都)
バンダナにクッキーつつむ雨水かな  佐藤志祐(東京都)
伐りたての切り株ひかる雨水かな  毬雨水佳(高知県)
チョコに飽き雨水の白湯がしみるなあ  西野 由美(神奈川県)
絹針に絹糸とほす雨水かな  大屋 邦子(愛知県)
跳ね橋を雨水の朝日細く過ぐ  澄珈(東京都)
校則の三つ編みほどく雨水かな  くつの したこ(東京都)

啓蟄

啓蟄の風に残れる硬さかな  破れ蓮(東京都)
啓蟄の子の置き手紙逆さ文字  いたまき芯(静岡県)
啓蟄や生徒募れる塾の窓  下村 修(神奈川県)
啓蟄のミンクオイルを指に溶く  長谷川水素(神奈川県)
啓蟄の風こども部屋だつた部屋  青井えのこ(東京都)
啓蟄や雀の切手足し投函  岸来夢(東京都)
啓蟄のチェロをかかへる燕尾服  大屋 邦子(愛知県)
啓蟄の眩しローファーの硬し  もも(京都府)
啓蟄やちろっと舐めて通す糸  伊予素数(神奈川県)
啓蟄や産休明けに履くヒール  けいと(東京都)

春分

春分の日のフリスビー空広し  香亜沙(神奈川県)
春分やアルパカの餌は100円  狩谷わぐう(愛知県)
厄年の春分の日を寝て過ごす  蒼空蒼子(神奈川県)
春分やあられの中に揚げ昆布  菫久(東京都)
春分やふたりで分ける豆スープ  いずみ令香(埼玉県)
春分やゼレンスキーは黒のまま  松本こういち(東京都)
春分はアコギの2弦から下よ  夏風かをる(熊本県)
春分の道後や俥夫の引き始む  浅野 勇一郎(愛媛県)
春分やうすくれなゐの水餃子  押見げばげば(大阪府)
春分の右手に重く有精卵  飯田 文代(東京都)

清明

清明や「行ってきます」と雇用所へ  諒香(愛知県)
清明の風に帆を張るシーツかな  佐藤ひろみ(東京都)
清明という水底へ橋の影  ギル(神奈川県)
サービエリアの温泉気持ちよし清明  里山子(長野県)
清明の渓谷沿いに行くシェルパ  小田毬藻(埼玉県)
清明や川はしづかに海となり  小林 麻子(山口県)
清明や調律終へしピアノの音  星月彩也華(愛媛県)
なめらかな虎になりたい清明は  太田怒忘(滋賀県)
清明の獅子の仔の肉球ぷにゆん  明 惟久里(東京都)
清明やぱりぱりに焼く鮭の皮  花瀬 玲(神奈川県)

穀雨

穀雨なり唄へば部屋のまるくなる  橋前有乃(京都府)
刀剣のしろがね光る穀雨かな  草夕感じ(京都府)
やはらかに猫の尾垂れてゐて穀雨  津々うらら(茨城県)
楽譜とう記憶の匂い立つ穀雨  三縞 勇輝(東京都)
穀雨なり金のスープに沈む匙  夏雨ちや(熊本県)
羽化したるここち穀雨の山歩く  東京堕天使(千葉県)
吾子かかへ重き米かふ穀雨かな  森萌有(東京都)
とつぷりと穀雨の墨に浸す筆  沢 唯果(埼玉県)
いきまーす輪ゴムでっぽうびゅんこく雨  太田 慈(滋賀県)
藍甕に藍の息づく穀雨かな  木村 隆夫(埼玉県)

立春

春立つ日届く個展の案内状  安井 健一(兵庫県)
立春やするりと抜かむ仕付糸  遠藤 玲奈(東京都)
立春や成長痛の吾子の背中  吉成小骨(兵庫県)
立春や森の目覚まし鳴るやうに  青い小鳥(東京都)
立春やゆつくり淹れるグアテマラ  佐伯 恵美(岡山県)
立春や声のあふるる乳児室  充子(滋賀県)
立春や今日はジャージの女学生  小川都雪(長野県)
立春のみづのきらめき米をとぐ  星月彩也華(愛媛県)
立春のとろろこんぶの重さうな  ゆか(和歌山県)
立春だポカポカ公園ドッチボール  川端 悠煌(宮城県)
立春の本堂バイオリンの風  浅野 勇一郎(愛媛県)
フランスの彼から手紙立春よ  大野 美波(埼玉県)
立春のからくり箱に本の鍵  葦屋蛙城(新潟県)
立春やひかり重力もつ如し  丸山美樹(岐阜県)
春立つや鴉を真似る下校の子  猪狩鳳保(神奈川県)
立春の鳴かせて捻る蛇口かな  あいむ李景(愛媛県)
立春や飛び立ちさうな風見鶏  空木花風(千葉県)
立春や薄紅色の母子手帳  白石美月(福岡県)
立春の海の香かすか体育館  飯村祐知子(滋賀県)
立春の光に回る観覧車  近江菫花(滋賀県)

雨水

猫に櫛あててささやく雨水かな  緒方朋子(北海道)
母逝きて四十九日の雨水かな  丸山 真由美(神奈川県)
チンダルの揺れて雨水の映画館  横山雑煮(茨城県)
土に鼻つけて仔犬の雨水かな  佐藤ひろみ(東京都)
泥水の散るスニーカー雨水かな  実本礼(長野県)
白湯飲みて健診を待つ雨水の日  山田翔子(千葉県)
生け花のみづのほころぶ雨水かな  酒井春棋(新潟県)
図書室の本のしづもる雨水かな  桜鯛みわ(東京都)
縫ひ溜めし刺し子のふきん雨水かな  森 毬子(東京都)
仮免の車列なす雨水かな  小手川とし(大分県)
球根の根の生まれたてなる雨水  西村柚紀(兵庫県)
まだ眠い糺の森の雨水かな  辻 花和音(埼玉県)
知らぬ子に挨拶される雨水かな  野口 成人(滋賀県)
雨水なり淡黄蘗色のメロンパン  鈴木案菜(福島県)
雨水なる君の手紙の青インク  菅野奈都子(福岡県)

啓蟄

啓蟄や壁の落書き消せぬまま  井上 茴香(福岡県)
啓蟄やバスを転がる缶ジュース  藤 雪陽(長野県)
啓蟄や原爆ドーム風の中  亀田かつおぶし(栃木県)
啓蟄や書きかけの詩を書き直す  伊都(佐賀県)
啓蟄のくちびる眩し青き空  今林海波(福岡県)
啓蟄やドローコードを弄ぶ  たろりずむ(大阪府)
啓蟄や絞り出したるマヨネーズ  山田 知明(神奈川県)
啓蟄や底まで白きスニーカー  森 薫(福岡県)
啓蟄やB5出口に待ち合わす  植 朋子(埼玉県)
啓蟄や古戦場には風の音  水越 晴子(三重県)
初めての寝返りは啓蟄の朝  大地緑(神奈川県)
啓蟄や子らは駄菓子をひとつかみ  祐宇(富山県)
啓蟄にメジロのつがいが蜜を吸う  ヌートリアみゆう(茨城県)
啓蟄やエアコン消してまた点けて  大屋 裕(愛知県)
啓蟄や何度ものぞくSNS  風早杏(長崎県)
啓蟄や芝犬の尻ふくふくと  土橋胡翔(東京都)
啓蟄や開店前のパチンコ屋  錆田水遊(愛媛県)
啓蟄やチーズ蒸しパンちぎりたる  白樫文目(愛媛県)
啓蟄やチェロのケースを軽々と  千尋(静岡県)
啓蟄や草間彌生のざわざわと  六浦筆の介(東京都)
啓蟄や掲げて渡る登校旗  東沖和季(埼玉県)

春分

春分の海の底には眠る鍵  亜桜みかり(愛媛県)
春分や猫ねんごろに顔洗ふ  岩田 勇(愛知県)
春分のきみとふらいどぽてと距離  高山 夕灯(東京都)
春分や紅茶染めする亡父のシャツ  こはる(熊本県)
春分を伸びて縮みて発条秤  樫の木(大分県)
春分にはためくシャツの真白かな  山野ゆかり(東京都)
春分の田に雀ゐて鴉ゐて  竹田むべ(兵庫県)
春分の礁へまろき風と波  中島走吟(北海道)
春分やぽぽんとひらく蒸しケーキ  杏乃みずな(長野県)
春分やゴロゴロと鳴る猫の喉  朝日みう(京都府)
産声は春分の日の星の声  空木花風(千葉県)
春分や仕事帰りのクレープ屋  もも(京都府)
三編みをほどく春分の放課後  藤田ゆきまち(三重県)
春分のサラダへ食べられる野花  丁鼻トゥエルブ(長野県)
大の字や春分の日に返す鍵  ほしのり(東京都)
零れ来る音春分の駅ピアノ  桜井教人(愛媛県)
春分やゆっくり煮出すミルクティー  花瀬 玲(神奈川県)
春分の折り目正しきプリーツスカート  猫柳鈴音(鹿児島県)
春分やスカーフ巻いて同窓会  染井亀野(奈良県)

清明

清明の渡り廊下に呼ぶ名前  阿部八富利(東京都)
清明のグミ噛み切つて透きとほる  橋前有乃(京都府)
新品の自転車かっ飛ばす清明  榊原文絵(大阪府)
清明やさらのシャツ着て出勤す  今村きき(東京都)
清明や花冠編む柔き指  春菊丸(東京都)
清明やだし巻き玉子くるんくるん  みづちみわ(愛知県)
清明や大まかに効く足のつぼ  山中 はるの(東京都)
清明や加賀小紋召し歌舞伎観る  新濃 健(東京都)
清明の窓際に置く母子手帳  森 毬子(東京都)
清明や六年生の大きな手  瀬川 琴女(三重県)
清明や風の匂いにほどけた手  泉 諒(新潟県)
清明や芋掘り藤五郎の鍬  HNKAGA(はんどるねーむかが)(石川県)
清明のゆく坂駆ける影二人  くじら12号(岡山県)
清明の風に連れられクレープ屋  岩下菜智(千葉県)
清明の小鳥のやうな遺言書  苫野 とまや(長野県)
清明や乳母車よりぽんと足  香田ちり(埼玉県)
清明やたっぷり淹れるさんぴん茶  細葉海蘭(北海道)
清明の鬣はけふ生まれるよ  七瀬ゆきこ(三重県)
清明や瞼へ紡ぎたての風  野村齋藤(愛知県)
清明のスワンボートに三姉妹  柊琴乃(愛知県)
燕横切り清明となりにけり  鈴木実生(愛知県)
清明や今日が一番若き吾  花野玖(東京都)
清明やもう空っぽの文机  檜野 美果子(宮城県)

穀雨

雨の穀雨や歩車分離交差点  イサク(愛知県)
野辺を打つ穀雨の雨の甘からん  亀田かつおぶし(栃木県)
シフォンケーキ型を溢るる穀雨かな  コンフィ(東京都)
傘もちて父を迎ふる駅穀雨  根来 譲二(大阪府)
みちのくにいま迷ひなき穀雨かな  菫久(東京都)
奥能登の土に優しき穀雨かな  小田毬藻(埼玉県)
灯台の燈の色ゆるむ穀雨かな  蝉声(宮城県)
綿棒に温き湿りや穀雨の日  岸来夢(東京都)
角突きの 牛が張り切る 穀雨かな  犬淵貉(新潟県)
穀雨の音しとしと少年の読書  舞矢愛(その他)
すれ違ふ人唄ひをる穀雨かな  中村 弘一(東京都)
無言館へ穀雨の扉なほ重し  杏乃みずな(長野県)
靴下の左が多き穀雨かな  中矢 尚(愛媛県)
海水に育つガジュマル穀雨かな  田中 由紀子(東京都)
きんつばの焼印著き穀雨かな  押見げばげば(大阪府)
直売所の野菜重たき穀雨かな  渡戸 道子(東京都)
つり革を 離さず眠る 穀雨かな  花笑みの旅人(埼玉県)
布かけて仕舞ふ穀雨の八百屋かな  七瀬ゆきこ(三重県)
ヨックモック崩さぬやうに穀雨かな  乃咲カヌレ(その他)
トーストや穀雨のバタの溶け加減  木ぼこやしき(岡山県)
ワイパーの軌跡が虹となる穀雨  藍創千悠子(兵庫県)
英雄のポーズ穀雨の息を吐く  海亀九衛門(千葉県)
食パンは角から食べる穀雨かな  うさの(愛媛県)

「俳句の日めくりカレンダー(2026年版)」掲載句を発表します。

2024年6月からスタートした「俳句の日めくりカレンダー 二十四節気の俳句募集」。
2025年2月28日までの9か月の間に、7,179句ものご応募をいただきました。
たくさんのご応募、本当にありがとうございました。

各季節ごとに選出された優秀句はこちらをご覧ください。

そしてこの度、神野先生による最終審査のもと、「俳句の日めくりカレンダー(2026年版)」に掲載される24句が決定しましたので、ここに発表させていただきます。

今回の結果発表を持ちまして、「二十四節気の俳句募集」の企画は終了となります。
たくさんのご応募、誠にありがとうございました。

次の俳句募集企画も現在準備中ですので、楽しみにお待ちください。

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暦生活編集部

日本の季節を楽しむ暮らし「暦生活」。暮らしのなかにある、季節の行事や旬のものを学びながら、毎日お届けしています。日常の季節感を切り取る #暦生活写真部 での投稿も募集中。暦生活の輪を少しずつ広げていきたいと思います。

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