季節を楽しむ味噌作り
寒い時期になると始めたくなる手仕事の一つに、味噌作りがあります。下準備と合わせて二日間で作ることができる、季節の手仕事です。
自分で仕込むお味噌は、原材料が分かっている分安心できますし、味噌が出来上がるまで、楽しみに過ごすことができます。
出来立ての味噌を何に使おうかと、わくわくしますよね。
とはいえ、自分で初めてやってみるには、少しハードルが高いもの。
そこで今回は暦生活編集部で京都に行ってきて、料理人の庄本彩美さんに味噌作りを一から教えていただきました。
味噌作りを始めてみたい方、始めの一歩を踏みだせますように。
味噌作りの材料
まず、味噌作りを始めるにあたって必要になるのが、材料と道具です。
味噌作りに必要な材料は意外と少なくて、3つだけです。
手作り味噌の材料
・乾燥大豆 500g
・麹 500g
・塩 240g
これで、2kgのお味噌ができます。麹を倍の量にすると、甘みの強いお味噌になります。お好みで分量を変えてみてくださいね。
それから必要な道具は、
味噌作りに必要な道具
・大豆を煮込むお鍋
・ざる
・大豆を潰す時に入れる厚手の袋
・保存容器(アルコールや煮沸で消毒しておく)
・へら
お鍋は、なるべく横幅広めの方が大豆に火が通りやすくなります。
保存容器は、琺瑯(ほうろう)やガラス、プラスチックのものなどで、密閉できるものを選んでください。
材料と道具が準備できたら、まずは下準備。
1 大豆の水戻し
まずは、大豆の皮が傷つかないように、優しく手のひらを使いながら洗います。
途中、水を3〜4回変えてください。
洗い終わったら、たっぷりのお水(大豆の2〜3倍)にひと晩以上つけておきます。
冬場は気温が低く水戻しに時間がかかるので、できれば18時間以上がおすすめです。
水戻しをすると、大豆が乾燥していた状態から約2倍にふくらみます。
2 大豆をゆでる
しっかり水戻しができたら、次は大豆をゆでていきます。
お鍋に水戻しをした大豆と、たっぷり水を入れて中火にかけ、煮たったら弱火にして3〜4時間煮ます。
火加減は、豆が少しコトコト動くくらい。
大豆が常に水をかぶっている状態を保つようにして、温かい水を差しながらじっくり煮てください。
灰汁をこまめにすくっておくと、味噌が美味しく仕上がります。
そろそろかな?と思ったら、大豆を一粒取ってみて、親指と小指でつぶせるか確認します。こちらの煮炊きで、豆をしっかり柔らかくしておくことがとても大切です。
軽い力でつぶせたら、熱いうちに大豆をざるにあげて、ゆで汁をきります。
きったゆで汁は取っておきます。
ここできったゆで汁は、味噌汁などにアレンジすることもできます。
3 豆をつぶす
大豆がゆであがったら、温かいうちにつぶします。
保存袋などに大豆を入れて、しっかり揉んでつぶしましょう。
やけどしないように、注意してくださいね。
お好みの口当たりに合わせて、どれくらいの粒感を残すか、調整すると良いでしょう。
4 塩きり麹を作って、大豆と混ぜ合わせる
ここでは、塩と麹を混ぜ合わせます。
両手で擦り合わせるようにほぐして、塩がまんべんなく行きわたるようにします。
塩と麹を混ぜて塩きり麹を作ったら、大豆と混ぜ合わせていきます。
むらがないよう、しっかり揉み込んでください。
目安は、耳たぶくらいの柔らかさです。
もしかたい場合は、2で取っておいたゆで汁を少し混ぜてください。水を入れるとカビが生じやすくなるので、なるべく避けた方が良いです。
5 容器につめる
ここまできたら、あとは容器につめるだけ。
おにぎりサイズに味噌を取って、お団子状に丸めていきます。
それから、空気をしっかり抜きながら、ぎっしりつめていきます(容器の8分目くらいまで)。
押し込んだり、お団子を投げ入れたりするのがコツです。
つめたら、空気が入らないよう、味噌の表面をなでるように平らにしていきます。
縁についた味噌はカビの原因になるので、拭き取って綺麗にしておきましょう。
表面をなめらかに整えたら、味噌が空気に触れないように、落とし蓋やラップで中蓋をします。
今回は、酒粕を中蓋代わりに使いました。
出来上がった際には、酒粕の部分もディップや粕漬けで楽しめます。
家庭での仕込み量だと、たまりを上げやすくするための重石や、発酵を促す天地返しは必須ではありません。仕込み量や煮汁を足したかなど、状況によって変えてください。
ゴミや虫が入らないように、ラップやビニール、新聞などで包むと安心。
常温で直射日光を避けて、冷暗所で10ヶ月〜1年ほど寝かせたら食べごろです。
味噌を作った日、完成予定の日をマスキングテープに書いて貼っておくと、忘れなくて済みます。
こちらは暦生活編集部の分です。
今年の11月に出来上がったら、またお披露目しますね。
味噌作りのポイント
時期について
麹のための新米や、大豆が収穫され、寒さが強くなってくる11月ごろからが味噌づくりはおすすめです。
雑菌が繁殖しにくい冬に作ることで、味噌がゆっくり発酵し、味に深みが出て美味しく仕上がります。
カビについて
出来上がった際、カビが生えた部分は取ってください。産膜酵母という酵母菌の一種であることもありますが、風味は落ちるので取り除く方がベターです。
ただ、青や黒が入り混じったカビが容器全体に発生していたら、発酵不良なので注意してください。
カビを防ぐために、味噌の表面をしっかり密閉してくださいね。
透明容器などで作成した際、側面から見た時に中が白っぽい斑点や結晶がみられることがありますが、チロシンというアミノ酸なので、取り除く必要はありません。
麹について
麹には生麹と乾燥麹の二種類があります。
味噌作りにおすすめなのは、デンプンを糖に変える力の強い生麹です。
すぐに使わない場合は、冷蔵庫で保存する(21日以内)か、塩きり麹にして常温で保存(4ヶ月)してください。
「人ができることはほんの少し、熟成は自然の力に委ねるしかありません」(庄本さん)
今年はゆったりした気持ちで、寒仕込みの味噌作りに挑戦してみませんか。

庄本彩美
料理家・「円卓」主宰
山口県出身、京都府在住。好きな季節は初夏。自分が生まれた季節なので。看護師の経験を経て、料理への関心を深める。京都で「料理から季節を感じて暮らす」をコンセプトに、お弁当作成やケータリング、味噌作りなど手しごとの会を行う。野菜の力を引き出すような料理を心がけています。
