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正月事始めしょうがつことはじめ

暦とならわし 2020.12.13

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こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

年末になると途端に、時の流れが速く感じられるようになるのは不思議なものですね。
街ゆく人からも、「今年ももう終わりかぁ……」「あっという間にお正月だね!」といったやり取りが、よく聞かれるようになります。

毎年12月13日は「正月事始め」と言って、「この日から、お正月を迎えるための準備を始めましょう!」という、暦からのメッセージがいただける日。かつては旧暦の12月13日でしたが、現在は新暦の12月13日がその日に当たります。

この日は「鬼宿日(きしゅくにち)」という日でもあるのですが、結婚式以外の物事を行うのに良いとされています。そして、特に「物事を始めること」が吉なのだそう。

では、具体的に「正月事始め」に始めると良いとされているのは、どのようなことなのでしょうか?
――それが、「煤払い(すすはらい)」や「松迎え(まつむかえ)」というならわしです。

「煤払い」とは、新年に福を持って家々においでになる「年神様」をお迎えするために、一年で溜まった家中の埃を落として綺麗にする行事です。昔、江戸城で行われていた「煤払い」を倣って、その習慣が庶民にも広がったのだとか。真面目で勤勉、そして綺麗好きと言われる日本人ならではの、素敵な文化ですよね。

そして「松迎え」とは、門松にする松やお雑煮やおせち料理を作るために使う薪などを、山へ採りにいくならわしのことをいいます。こちらの習慣は、現代を生きる一般の人たちには、なかなか縁遠い話かもしれませんね。現代に当てはめて考えるとするならば、多くのお店でお正月飾りを見かける頃のような気がします。

このような暦のならわしからも窺い知れるように、新しい年というのは一年間大切に使って古くなったものや、汚れが溜まってきた場所、マンネリ化してきた気持ちなどを一新して、さまざまな物事を綺麗に生まれ変わらせるのにぴったりのタイミングです。

今年の総括や来年に向けた目標立てをして、身の回りの整理整頓にお掃除などを行い、すっきりと心地よく新年を迎えるためには、大切な節目だと言えるでしょう。
日本人は昔から、このように暦の中に「準備を始めるべきタイミング」を思い出す日を作ることで、うっかりと「やり残したこと」がないように工夫していたのですね。

いずれにしても、大切なことは“心地よく” “まっさらな気持ちで” “明るく前向きに”新しい年を迎えることができるか――ということなのかもしれません。
ならわしについて知っておくのと共に、正月事始めは「あなたにとって必要なお正月を心地よく迎える準備を始める日」にしてみませんか?

日々をなんとなく生きて歳を重ねてゆくよりも、毎年新しい自分に出会うための準備が、この年末にできたら素敵です。年越しまでは、まだ半月以上の時間がありますから、有意義に時間を使っていきたいものですね。

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紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

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